お知らせ (研修)

2015年11月・12月、柳川療育センターにて現場研修を行いました。今後も、障がい児者の高齢化・重度化に対応した支援の充実・強化を図るために研修を重ねてまいります。

11月9日・10日と16日・17日、11月30日・12月1日、社会福祉法人高邦福祉会の柳川療育センターにて、「医療的ケア」の知識や技術を学ぶことを目的に、当法人は班に分かれて職員が実習に参加しました。

柳川療育センターは、福岡県柳川市にある重症心身障害児(者)施設。障害を持つ方々が社会の中で快適に生活できるように、入所と外来のサービスに努め、リハビリテーション、療育等も行っておられます。

今回、参加者の研修報告を紹介します。

 

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今回、医療的ケアが必要な方々が暮らす様子を2日間見せていただき、実習をさせていただきました。日頃、福祉サイドから生活を支えている私たちですが、柳川療育センターの現場を拝見したことで、清潔、不潔の感覚が全く異なることが分かり、感染対策は今後、多くの改善の余地がありそうです。しかし、感染対策を万全に行えば行うほど、消耗品に莫大なコストが必要になることも課題のように感じます。

食事については、誤嚥を回避するためにきざみ食のリスクは高いので、とろみ食を提供されています。当法人でも、すでに嚥下の研修を行いましたが、飲み込みの状態等の把握が今後は必要ではないかと思います。そうした時に、きざみ食なのか、とろみ食なのか、保護者の皆様にも一緒に勉強していただき、これからのことを考える時期がきていると思いました。

障がい者の重度化、高齢化に向けて、健康であり続けるため、私たちが何をすべきか、今から勉強していきたいと思います。  (管理者 北岡 さとみ)  

                

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当法人では、通所者・入所者が安心して地域生活を送るための体制づくりとして、障がい児者の高齢化・重度化に対応した支援の充実・強化を図ることに取り組んでいます。その取り組みのひとつとして、医療的ケアに対応できる支援体制の整備を進めているところです。

久留米市でも、平成23年度から、痰の吸引や経管栄養などの日常的な「医療的ケア」が必要な児童を事業所で夜間預かる「医療的ケア短期入所」を支援する事業を始めています。今回、当法人がこの事業を受託することになり、柳川療育センターにて「医療的ケア」の知識や技術を学ぶことを目的に研修させていただけることになりました。

1日目は、午前中オリエンテーション、午後からは、自分自身が利用者になり機械浴を体験させてもらったり、食事介助をさせていただいたりしました。2日目は、担当の指導者に付いて「医療的ケア」の必要な方のケアをさせていただきました。

2日間という短い研修期間でしたが、私にとってはとても充実した2日間でした。

五感の重要性や姿勢の大切さ、その人の立場になって考えるのではなく、その人自身になって考えないと気付かないことがあるというと、また経験や体験を通してその人の生活の質が向上することなど、改めて考えさせられる機会となりました。

また、安心・安全・快適に日々の生活するための環境設定や、衛生面、感染予防について、学ぶべき点もたくさんありました。

今回、柳川療育センターで学ばせていただいたことを、今後の当法人の医療的ケアに対応できる支援体制の整備にいかしていきたいと思います。 (出会いの場ポレポレ 鹿子島功子)

 

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柳川療育センターは、外来リハビリテーション、療育相談(成長や発達の相談、栄養や食事の相談、社会生活に関する相談、医療・福祉手続の相談など)のほか、重症児(者)通園定員5名、短期入所事業・日中一時支援 定員5名、入所者定員55名の事業を行っています。

初日は、オリエンテーション、入浴体験、摂食体験を、2日目は、PTの理学療法の見学、通所の様子の見学などをさせていただきました。

重症心身障害の方、また初めて会う方ということで、どうコミュニケーションをとればいいのか、どういうサインを出しておられるのかと考えながら接している時、最初に、私が出会いの場ポレポレに足を運んだ時に同じ気持ちになったことを思い出しました。

重症心身障害の方の対応ということで、衛生面、感染症への対策などしっかりとされていて、当法人でも今後、重度化、高齢化が進んでいく中で、対策を進めていかなければと感じました。

通所の場では、視覚刺激を感じることが発達への第一歩という考え方から、天井、壁にカラフルな飾りが施されていたり、活動の中でも快の刺激をということで、エアートランポリンを部屋で膨らませて、みんなで乗り、ゆらゆらとゆったりしたり、バインバインと跳ねたりと、とても楽しそうな表情やリラックスした雰囲気になっていました。

他にも、ハンモックでリラックスしたり、新聞紙相撲をしたり、年末には書き初め、干支飾りを作ったりなど、色んな事をされているそうです。

今後、取り入れることが出来るものはどしどし取り入れていこうと思いました。 

(出会いの場ポレポレ 前田 力哉)

 

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11月16日・17日の2日間、柳川療育センターで5班に分かれて研修を受けました。柳川療育センターの利用者は医療ケア、移動や着替え、トイレなど多くの部分で介助を必要とされる方々です。

言葉は喋れない利用者が多い中、どのようにして現場のスタッフの方々はコミュニケーションを取っておられるのか疑問を持っていました。

研修では、柳川療育センターのスタッフの方の同行のもと、食事介助やトイレ介助を経験させていただき、コミュニケーションの取り方も見ることができました。そこでは、利用者のわずかな目線や顔の表情を読み取って「YES、NO」を聞いたり、「ひらがなが書いてあるボード」をつかって意志を伝えたりするやり方などを拝見しました。

他にも、看護師・OT・PTなどの専門的な分野のスタッフがたくさんおられて、気づいた点を現場のスタッフに伝達し、みんなが情報を共通理解されていました。

今回、出会いの場ポレポレでは見ることができない経験をさせていただきました。今後はこの経験を活かしていきたいと思います。 (出会いの場ポレポレ 小川真太朗)

 

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今回の研修では、重症心身障害の方とのコミュニケーションの取り方等勉強になる事がたくさんありました。特に目の動き、眉の動き等でイエス・ノーを判断する等、日々の利用者さんの小さな変化も見逃さない職員の方々の姿勢は見習う点が多かったと思います。

また、重症心身障害の方が多い中、感染症予防がしっかり徹底されており手洗いひとつとっても日頃の自分の行動を見直す機会になりました。

さらに、利用者のベッドには、いつ・どの支援者が入っても同じ介助が出来るように「見える化」が徹底されており、私も日々の活動に取り入れていこうと思いました。 

(出会いの場ポレポレ 児玉 元気)

 

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今回、柳川療育センターの研修を受けて率直に感じた事は、10名程度のグループにスタッフが数名で対応する出会いの場ポレポレとは違い大人数の利用者様をスタッフ総出で入浴をしたり活動をされていて、ポレポレの日中活動やグループホームがいかに手厚い援助であるか、ということでした。

医療的ケアが必要な方々が約50名利用されている療育センターでは、午前8時過ぎに伺った時点でおむつ交換の真っ最中でした。1部屋5~6名の方をスタッフ総出で一斉におむつ交換されていたので、プライバシーも何もないと思ってしまいました。しかし、後のオリエンテーションでプライバシーより安全・命が大事だと言う事が分かりました。目・手を離さないということでプライバシーより安全を優先。また、五感の大切さも教えていただきました。私は1日目だけの実習を受けましたので、リハビリや療育的な事をもう少し知りたかったと思いました。

 (居宅介護センターカリブ 稲田 智美)

 

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2日間の研修では、重度の方がほとんどということもあり、感染症を防ぐための対策がしっかり構築されていることに驚きました。イソジンで陰部を消毒したり、消毒液を持ち歩いたりされていましたので、常に衛生管理ができています。室内はもちろんのこと、週2回しか入浴されない利用者の方々から排泄臭が全くしません。

衣類の洗濯では、必ず洗剤と一緒に次亜塩素酸を小量入れ、乾燥機にて熱により殺菌がきちんとされています。次亜塩素酸入りの洗濯や消毒液の持ち歩き等はすぐにでも取り入れたらよいのではないかと思いました。

こちらの施設では姿勢をとても大切にされており、姿勢が崩れることにより内臓にまで悪影響を及ぼすため、時間をかけ姿勢を正しく保つようリハビリに力を入れられていることがとても印象に残りました。例として、PTの指導を見学。そこでは、筋緊張により長時間同じ姿勢をされている影響で喀痰がたまり呼吸が苦しい方を少しずつご自分の力で緊張をほぐすようリラックスさせ、胸を開き自発的に呼吸が楽になるように手助けをされていましたし、姿勢がこれ以上悪くならないようリハビリを継続されていました。とてもうらやましい環境だと思います。今後、車いすの方の姿勢に着目し、私たちが出来ることは何かを考え、取組んでいきたいと思いました。 

(出会いの場ポレポレ 石橋 千鶴)

 

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柳川療育センター内は1~3階まであり、それぞれの場所で活動をされていました。私が2日間の研修でとても印象強く残っているのが、理学(PT)、作業(OT)、言語聴覚(ST)の部分と感染予防に対しての対策についてでした。

座位保持装置に座られる時の姿勢や、横になられた時の姿勢保持、一つ一つの動作等、ゆっくりと丁寧にそれをリハビリスタッフだけでなく他職種のスタッフ一人一人が感染予防に徹底して取り組まれており、私達の日常を見直すことが多くありました。

また、職種に関係なく連携されている姿があり、考えさせられる事が多くある研修となりました。                               

(出会いの場ポレポレ 碇 翔南子)

 

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柳川療育センターでは、職員の皆さんが看護・介護・保育等の資格を持たれるスペシャリストが揃っておられ、医療・療育に努めておられます。

外来診療では、療育において早期発見・早期治療が望ましく、小さなお子様をPTの方が温かく愛おしそうに訓練されていました。

今回の研修において、医療的ケアの現状を見学させていただき、医療の大切さを感じました。

入所の方々とのコミュニケーションを通し、快・不快のサインを見つけ現状を知る事。安全・安楽に援助する為の留意点、タッチングを利用し表情や行動から知る、目線・立ち位置を合わせ、常に疑問を持つ事等、改めて考え直す事ができました。

相手を変えるのではなく「自分が変わる」。松尾看護部長の言葉から教えられた2日間でした。 (グループホーム世話人 今岡 勝美)

 

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柳川療育センターは重度の方の入所ということで、自分達が寝る場所と活動する場所は同じ階にあり、当法人のグループホームの生活とは違う形だなと感じました。

朝礼では、夜勤者からの報告に加え、教本をその日の担当が読み、医師が追加して病気の話をされ、日々違った病気の知識も勉強されていました。また、一人ひとりのことをみんなで考える取り組みがされており、利用者の担当が、皆の前でその方の最近の様子を話す。そして、それに対して、こうしてはどうかという話をされていました。チーム医療と聞いたことはありましたが、介護の現場でも実践されているのが印象的でした。

また、センターでは、介護福祉士を持ちながら保育士の資格を持っている方が何人かいらっしゃいました。保育士資格を持っている人は、保育士の研修にも行き、そこで学んだことをまた普段の活動に活かされているのです。保育の部分で学んだことを介護の現場で活かす取り組みが自分はとても面白いと感じました。

研修では、どの職員の方もこれまでたくさん実習生を受け入れている経験から、こちらの質問に対してたくさん答えていただきました。私自身が直面した、365日対応が必要になった時の話をすると、後見人さんとはどんなやりとりをしているのか、ご家族とはどのようなやりとりをしているのかなど、色々聞かせていただきました。

そして、療育センターでは、病院で亡くなられた利用者の方は柳川療育センターに戻ってきてもらい、入浴、整容を行い、最期のお別れをされているとのことです。

普段、出会いの場ポレポレで働くだけでは知ることのなかったことをたくさん勉強させていただき良い研修の機会となりました。(GHチェムチェム 白數 直基)