社会福祉法人 拓く

イベント・研修 (研修)

5月28日、「障害者差別解消法を知るシンポジウム~学ぶ・働く・楽しく生きる~」に参加し、誰もが暮らしやすいまちづくりについて考え、学ぶ機会になりました。

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5月28日(土)、NPO法人久留米市手をつなぐ育成会などでつくる実行委員会主催で、「障害者差別解消法を知るシンポジウム~学ぶ・働く・楽しく生きる」~が、えーるピア久留米にて開催され、出会いの場ポレポレよりスタッフ7名が参加しました。

当日の、野沢和弘講師(毎日新聞論説委員)による基調講演「障害のある人もない人も暮らしやすい社会に」とそれに続くパネルディスカッション「合理的配慮ってな~に」では、4月から施行された障害者差別解消法の内容や課題について当事者、家族、支援者を交え、具体例を挙げての分かりやすいお話を聴くことができました。

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これまで何度か野沢さんの講演をお聴きする機会がありましたが、今回初めてガイドライン策定後の差別解消法をめぐる状況を確認することができ、だいぶ頭の中が整理された思いです。

そんな講演の中で今回特に聴き入ってしまったのは、「行動障害が激しくなって他の利用者が迷惑している」とグループホームから追い出される場合の例に、合理的配慮の視線を当てたくだりでした。行動障害の方々に接する際の合理的配慮とは?かなり高度な技術が必要になりそうですが、野沢さんが写真で紹介された北海道の事業所「はるにれの里」における配慮(工夫)の例(押し入れにスヌーズレンをつくる等)は、思わず行ってみたい!と思うほどに創造的なものでした。合理的配慮の視点を私たちの足元に置いてみた時に、何か新しいもの、面白いものが生まれる可能性を感じました。                    (出会いの場ポレポレ 内田)

 

※スヌーズレンについて

日本スヌーズレン協会HPより「どんなに障害が重い人たちでも楽しめるように、光、音、におい、振動、温度、触覚の素材などを組み合わせたトータルリラグゼーションの部屋」

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障害者差別解消法のシンポジウムを聴き、関係者でありながら理解できていないことが多く、勉強の継続が必要と思いました。差別を無くすための条例の作り方の段階、苦情や悩みを持ち込むきちんとした場所。またそのような場の職員のあり方。少しずつでも勉強していき、ノウハウを蓄積して誰にとっても住みやすい街にしていかなければと思いました。障害者・高齢者にかかわらず総ての市民につながっていることですから。       (生活支援員 藤井ちえ子)

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現在、下宿屋「南の家ほっと」(南町)にて仕事をしておりますが、まだ勉強不足で時々迷うことがあります。しかし、シンポジウムに参加し、知的障害者の方には作業手順を分かりやすく書いた紙を貼るなどをしてコミュニケーションを取れるように工夫する、どうしたら口頭でうまく伝えられるかといった点を学びました。

現在、利用者さんが福岡県障害者雇用支援センターあゆむに通われており、今回、偶然にもパネリストとして同センターの竹田桂子さんが参加しておられました。そこでは、ご本人の持っている能力を引き出すような職業訓練などが行われおり、最近の利用者さんの様子はとても積極的でやる気が見受けられます。

シンポジウムに参加して、人として障害者・健常者に関係なくその人が持っている能力を引き出して混ざり合って生活していくべきであるということを感じました。

                              (生活支援員 山本 いさ)

 

 

 

 

喀痰吸引等第3号研修の受講者を募集しています!7月9日(土)・10日(日)に開講。超高齢化社会に向けて、ますます需要が高まる医療的ケア。多くの介護職の皆さん、挑戦してください。

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施設・居宅等において、介護職員等が特定の対象者へのみ医療行為を行える資格取得のための研修が「喀痰吸引等研修(第3号)」です。当法人はその研修機関として福岡県に登録し、現在までに3回実施しました。

これまで、初めて目にする医療用語や器具に戸惑いながらも、およそ50名近くの介護職員等が試験に合格し巣立っています。2日間の研修中も質問が飛び交い、講師の言葉に熱心に耳を傾けながら、真剣な表情で実技に臨まれていました。

超高齢化社会に向けて、ますます需要が高まるであろう医療的ケア。たとえ病気や高齢によって気管切開をしたり、胃ろうや腸ろう等をつけたりしても、自宅で安心して暮らせるように、できる限り多くの介護職の皆さんに挑戦していただけたらと思います。

 

日   時 :7月 9日(土)9:00~17:00 

       7月10日(日)9:00~16:00 の2日間

会  場 : 社会福祉法人 拓く 出会いの場ポレポレ 

受講対象者 : 特定の重度障害者等に喀痰吸引等を実施しようとする介護職員等

定  員 : 15名

受講料 : 基礎研修(講義と演習)14,000円

実地研修(特定の対象者1名につき)3,000円

申込締切 : 平成28年6月15日

※基本研修のみの受講は不可。再試験は手数料1,000円

 

受講を希望される方は、下記の募集要項及び注意事項をご確認の上、お申込みください。

 

0001喀痰吸引等第3号研修 募集要項・注意事項 → 詳細はこちら

 

【お申し込み・お問い合わせ】

社会福祉法人 拓く FAX:0942-27-2086 ╱ TEL:0942-27-2039

お問い合わせはFAXでお願いします。

 

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1月、「ふわりんクルージョン2016(東京・秋葉原)」に参加しました。「すべての人が輝く地域包括ケア ~地域密着で輝く命~」をテーマに研修しました。

0001 ふわりんクルージョン2016→詳細はこちらへ

 

1月30日(土)・31日(日)、当法人は、秋葉原コンベンションホール(東京都)にて開催された「ふわりんクルージョン2016 すべての人が輝く地域包括ケア ~地域密着で輝く命~」に参加しました。2日間にわたる各分科会には多彩な講師が登場し、地域包括ケアについて大いに学ぶ機会となりました。ここで、参加者のレポートをご紹介します。

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この「ふわりんクルージョン」を企画運営している戸枝陽基さんとの出会いは、2002年6月。「地域支援」を開始する時に、知多半島にある戸枝さんの運営する「ふわり」へ伺いました。

彼は私より一回りほど年が若いのですが、頭が良く、とてもバイタリティがあり、地域にこだわった生産活動の「飲食業」「農業」「強度行動障害」「医療的依存度の高い方」「暮らしの支援」と、いずれも先駆的に切り拓いてこられました。また、日本福祉大学の学生バイトをはじめ、若き職員たち。新しい感覚で、躍動が感じられます。さらに、時代に必要な研修会を「オールジャパン」で開催されています。

年代は違うのですが、戸枝さんの考え方に共感することが多いです。そのひとつに、専門家は直接支援というより、「地域住民」と「障害当事者」をつなぐということが、支援では重要ということです。支援者がますます少なくなる社会の中で、ポイントになる考えだと捉えています。

 

今回の「ふわりんクルージョン」は、確か3回目。初回は、当法人も医療依存の高い方の支援を始めようとした頃で、懇親会で語り合おうと、当法人のスタッフが3次会まで参加しました。

医療的ケアを実際にされている東京事業所の3階は、エレベーターもなく狭い階段を上らなければいけませんでしたが、ここで、野田聖子衆議院議員の子どもさんを始め、医療依存度の高い方の支援をされているのだとお聞きして驚き、感動しました。

現在は医療が発達しているため、スペシャルニーズ(超重症児)の子どもたちが増え、地域で暮らしていくために、看護師や介護士の育成や支える法律、制度、インフラ整備が急がれます。そこで、彼は東京に事業所を出し、愛知県の知多から週2回東京に通って事業所を運営し、しかも様々な研修会を企画しながら、運動を展開されているのです。

今回は、久留米市役所から健康福祉部総務、総合政策部の2名の職員、そして藤林市議、秋永市議が、「医療依存度の高い子どもの在宅ケア」「小規模多機能自治と地域包括ケア」「発達障害のある生活困窮者支援」について学ぶために参加されました。

会場では、困窮者自立支援法を中心的に創られた熊木正人さん(厚労省企画官)と直接お話をする機会をいただきました。分科会には企業や社協、NPO法人など、各地で時代を切り拓いている方々が登壇されており、大変勉強になりました。   (常務理事 馬場 篤子)

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私が参加した第4分科会は「地域密着のまちづくり」というテーマでした。地域密着で働く理想の形が濱野まり子さん(ディスカバーリンクせとうち 尾道デニムプロジェクト)の働き方にあります。講演で流された映像(NHK「U-29:人生のデザイン」)出演の濱野まり子さんが素敵だったので、会場は福祉職で働き始めたばかりの若い人たちで溢れました。

日本は超少子高齢化社会になり、人口減少、労働人口減少となる中で、公助から自助へ大きく方向転換を余儀なくされています。一方では家族や地域の繋がりが貧弱になることで、社会的困窮者を生み出し、人間関係を構築できない事が生活困窮・経済的困窮に陥る大きな原因ともいえます。制度の枠では解決できない、誰もが支え支えられる地域の構築、社会の実現を目指そうと、大きな課題を突き付けられているのです。

そんなお話の中、町づくりの魅力とヒントが、生き生きと働く濱野まり子さんから伝わってきました。彼女は、尾道で働く方々がワークパンツとしてデニムをはき続けるユーズドデニムを育て、尾道の魅力を世界に発信しようと作られたプロジェクトのチームリーダー。23歳、プロジェクトの魅力に引き寄せられ神奈川から移住。デニムをはく人達一人一人の職業を知り、人を知り、町に溶け込み繋がっていき1本のデニムを育てる。その一本一本のデニムのストーリーを大切に思う彼女の姿と働き方に私は共感し、勇気と町づくりのヒントを貰いました。

地域づくりはまず地域を知ること。どんな問題を抱え何に困っているのかを知らないと必要な事が見えてこない。一人の困りごととは言っても、ひょっとして他にも同じ困りごとを抱えている人がいるかもしれない。地域の課題は地域によって違うので、それを地域みんなの共有の課題にしていく。諦めずに続けていくこと。繋がり合うことが大切で、これは時間のかかる仕事ですが、次はより広い範囲で課題を持ち寄り話し合うことへ。

この分科会に参加して、濱野さんの仕事ぶりに心揺れた福祉に携わる若い人たちが、自分でやりたいと思う事、心揺れる仕事を諦めずにやり続ける事が大切だと思いました。福祉の仕事は、やれない人にはやれない。特別な人たちにしかできない誇りがある仕事。自信を持ってキラキラと働いてほしいなあと思いました。  (御井あんだんて 森田 さかえ)

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2日目の「生活困窮者自立支援法自立相談支援事業従事者養成研修の中心メンバーがむそうの発達障害者研修を受けてみました!~生活困窮者って支援の不足した発達障害者の成れの果て?」という内容の分科会に参加しました。

発達障害とは社会性やコミュニケーションの障害で、支援する側もうまく関われず、介入が難しいのではないかと思っていた時に、支援者が、7daysという発達障害者の立場になった研修を受講し、脳の機能障害を知るチャートに支援者自身をあてはめて検証してみたところ、実は私たちも発達障害者だったのでは?と思えるほどの結果が色濃く表れ驚いてしまった。しかし、個性は強ければ強い方がよいのではないかと思い、色々と悩んできたことが納得という形で気持ちが楽になりいい支援が出来るようになったそうです。

発達障害者との関わりについては、不適切な介入や介入をしない状態だと今まで積み上げてきた体験に頼り、自己流(本能的)の解釈をしてしまいます、そうなると、さらに孤立した状態となり、社会的自立から遠のいてしまい、「孤立」となります。適切に介入できれば、安心や満足感が得られ支援を活用していくことで社会的に自立していき、「共存」へ移行できて生活困窮者ではなくなっていくのです。

つまり、社会性やコミュニケーションが不足してしまうと就業が難しく、生活困窮者へ移行してしまいます。支援者が適切に介入し社会へとつないでいくことが急務。たくさんの方々の関わりや支えがあることにより孤立を防ぐことで、生活困窮者が減っていくとのお話でした。

 

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最後に、就業の方法として、Aさんを参考としたお話がありました。

Aさん:入力がとても得意ですが、電話の音が苦手。事務所で作業をしていましたが能力が発揮できていない為、就業アドバイザーが会社へお願いし、事務室ではなく静かな書庫で作業ができるよう環境を整えたところ、他の方の3倍速く正確に入力処理でき、会社に貢献することができるようになりました。

このように会社にAさんの情報を正確に伝え環境を整えることにより、Aさんの実力がフルに発揮され長期的に就業が可能になり生活が豊かになります。就業先の方を巻き込む事により安定した支援を築くことが出来ます。

就業先を決めるにあたっては、必ず担当者が就業する方の仕事先で、1日かけて就業時間を共に過ごし職場の方々とより密接なコミュニケーションをとることが大切なポイントとなり、色々なお願いもしやすくなるとコツも教えていただきました。 

(出会いの場ポレポレ 石橋 千鶴)

2月5日(金)~7日(日)、アメニティーフォーラム第20回記念大会(滋賀県)に参加しました。多くの学びと刺激。意識変革をして、新たな取り組みにつなげます!

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2月5日(金)~7日(日)、「アメニティーフォーラム20」が滋賀県大津プリンスホテルにて開催され、当法人より4名が参加しました。この催しは、障がいがハンディにならない社会の実現を目指して開催されており、毎回、全国から1500人を超える方々が参加されています。第20回記念大会の今回は、きたやまおさむさんと小室等さんによるジョイントコンサートも開催されました。

ここで、研修に参加した職員のレポートを紹介します。

 

 

2002年の7月のことです。2001年9月に「出会いの場ポレポレ」を開所した翌年、私たちは、アメニティーフォーラムの企画推進をされている北岡賢剛さん(現・社会福祉法人グロー理事長)にお会いするために滋賀の「オープンスペースれがーと」を訪ねました。現在は、「滋賀県社会福祉事業団」と「オープンスペース れがーと」が一つになって、社会福祉法人グロー(GLOW)になっています。

名古屋の島崎春樹さん(社会福祉法人あさみどりの会 元理事長)から北岡さんに頼んでいただいたためか、牛谷正人さん(現・社会福祉法人グロー副理事長)や中島秀夫さん(現・社会福祉法人グロー理事)など豪華な講師陣から、次々に講義をしていただきました。

「ご飯を食べに行く時間がもったいないでしょう。うちのパンでも食べて話をきいてください」

これにも、びっくり。北岡さんを始め、れがーと関係の方々は変革に燃えておられ、勢いがありました。今では当たり前になっている「地域支援」についてでしたが、当時の私たちは、「相談支援」や「レスパイトケア」等、初めて聴くことばかり。あまりにも予備知識がなかったので、皆さんのせっかくのお話もなかなか吸収できなかったのを思い出します。

 

私は、2003年2月からアメニティーフォーラムに参加しています。実は、これに刺激されて、2005年1月、「フォーラムinくるめ」を開催しました。

当時、佐賀知事に就任されたばかりの古川康さんにもお力をいただき、500名定員で企画準備。初めての試みで、達成には遠い数字とも思えたのですが、それから奮起し蓋を開けたら、2日間のフォーラムに1,000名以上の参加。快挙でした。当日は、福岡寿さん(現・長野県北信圏域障害者総合支援センター)や辻哲夫さん(元・厚生労働省事務次官)たちにも登壇していただき、久留米での取り組みが発信されるようになりました。あれから13年。アメニティーフォーラムの会場に行くと、懐かしい面々の皆さんは(私も含めて)年を重ねられ、会場も登壇者も私の知らない若い方々が多くなってきています。

 

今回のフォーラムに参加して心に残った点は、3日目の「アサダワタルが考える、これからの居場所の“創作”~個と個の交わる関係性を語り合う~」セッションでした。

特に、「内にこめる生きづらさを少し外に出すための表現活動の意味」で、上岡陽江さん(ダルク女性ハウス施設長)と西川勝さん(臨床哲学者・大阪大学CSCD特任教授)のセッション。

もうひとつは「これからの居場所の“創作”制度でこそできることと自律的で創造的な場づくりのハザマで」に登場した湯浅誠さん(法政大学現代福祉学部教授)と上田假奈代さん(NPO法人ココルーム代表理事)のセッション。これもとても興味深かったです。

上岡さんや上田さんを訪ねてみてお話をお聞きし、こちらの意識をかえて、新たな取り組みができたらと考えています。 (常務理事 馬場 篤子)

 

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アメニティーフォーラム第20回記念大会 → 詳細はこちらへ

 

 

毎年、滋賀で開催される日本一の規模を誇るフォーラム。朝から夜中まで、厚生労働省などの行政、政治家、全国の先駆的な取組みを行っている人たちの講演会でびっしりスケジュールが詰まり、頭に入りきれない情報と刺激があります。私は今回で2回目の参加。本当に「時代が変わる」ことを実感させられるフォーラムでした。

行政や政治家、有識者の皆さんからは、「どの国も経験したことのない少子高齢化社会に突入する中で社会保障に対する財政抑制が厳しさを増しており、介護保険をはじめ障害福祉分野でもこれまでのように右肩上がりの予算の伸びは見込めなくなる」とのお話でした。その課題解決として、「地域包括ケア」「地域づくり」「一億総活躍」などの言葉が頻回に使われ、「誰もが能力に応じて労働やお金を出し合い、高齢者や障害者、子どもなどを分けることなく地域全体で支えていくことになる」とのことでした。「あぁ~やっぱりお金も人も足りなくなる時代、『共助・互助』を強めていく時代に変わるんだ」と実感しました。

また、社会全体が苦しくなる中で、100%税金で成り立っている社会福祉事業においては、「国民から良いことをやっていると納得してもらえる事業展開(専門性・地域貢献)」「透明性・信頼性の高い経営」「多様な人をマネージメントする力」が必要。これからは、「三方よし(会社よし・利用者よし・地域よし)」から「地球(環境)よし・次世代よし」を加えた「五方よし」の経営視点が必要との指摘がありました。

 

大臣官房の蒲原氏のプレゼンの中で、全国でも実践が広がっており、安武町でも行われている「子ども食堂」が例に挙げられ、障害福祉だけをやるのではなく、地域課題も包括的に解決していく取組み(地域づくり)を広げていくことが、これからの社会福祉法人の重要な役割になってくるとありました。

さらに、講義「これからの日本をデザインする」の中では、中央大学の宮本教授から、支える側と支えられる側では維持できない時代において、新しい考え方「支え合いを支える保障(共生保障)」とそれを作り出すための仕組み(支援付き就労、補完型所得、地域的居住)をどう創るかがポイントとなるということ。自治体の役割としては、分野を縦割りではなく横割りで好循環を生むために、どうそれぞれの機能を使えるようにするのかがポイントになる、と提言がありました。

 

最終日は、地域づくりをメインテーマとした連続講義「アサダワタルが考える、これからの居場所の”創作”」を受講。表現活動(話す、踊る、描くなど)としてのアートを媒体に、これまでの枠にはまらずに、知らない「あなた」と「私」との関係をつないでいく居場所の紹介と役割の意味。確かに人と人とがつながることで豊かな生き方が生まれてくる一方では、お金は期待できないジレンマがある。時間はかかるかもしれないが、そういう場づくりにお金をかけ、評価される時代がやってくるはずであると湯浅氏は話されました。

社会情勢や総合支援法3年後の見直しをはじめ、これから変わりゆく時代において、当法人がどう向かっていくべきか、とても示唆に富んだフォーラムでした。 (グループホーム責任者 浦川直人)

 

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今回、沢山の講義を一度に聞き、頭から足先までお腹いっぱいになった感があります。深夜まで及ぶ講演とそれを熱心に受講する人、とにかく素晴らしかったと思います。

その中で関心のあった徳島大学大学院の境泉洋先生による講演「ひきこもりの実態と構造~高齢化するひきこもり」についてレポートします。

 

ひきこもりとは?

ひきこもりの定義は、様々な原因の結果として社会参加を回避し、原則的には6ヵ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態を指す現象概念です。ひきこもりには、精神疾患の症状からくる二次性と、精神疾患が直接原因の零次性、精神疾患の症状がない一次性とに分類されます。ひきこもりの子どもを持つ家族は、わが子に精神疾患があるはずがなく一次性だと考えますが、実際に支援してみると、統合失調症や発達障害がベースにある二次性というケースが多いといいます。性別では、学生の間は男女差がなく、18歳以上では男性が8割、女性2割。男性に多い理由としては、就労へのプレッシャーや働く以外の役割が男性に少ないこと、発達障害は男性が多いことがあげられます。

 

ひきこもりの初期・中期・慢性期~回復期へ

人の心理状態として、楽しいことを追い求める人は家にずっとは居ませんし、嫌なことがないことを求めると家に居たくなるものです。ひきこもりの心理として、人は何かをする時にはメリットのある方向へ動こうとしますので、初期は不安な状況を避け、これを維持するために家にこもります。ですが、ひきこもるよりもメリットがあればそちらに行くことができます。

中期には、出て行こうとしますが、失敗体験を学習して無力となってしまい、慢性期には、楽しいから家にいるのではなく、嫌なことが起こらないメリットがあるから家にいるということ。本人はこのままではいけないという気持ちはありますが、何かしなければという焦りと何もできないという恐怖との間で葛藤を生じるのです。

 

ひきこもりからの回復初期は、楽しい気分になれる行動をワンステップずつ提示し、この時に現状維持以上の生活できるようにして成功体験を作り、メリットとすること。この行動レパートリーをどれだけ沢山提示できるかということです。現状以下の生活になるとデメリットを作ってしまうのでやり方を間違えないこと。回復後期には、嫌なこともあるけれど何かに挑戦したい気持ちにさせること。頑張っていればいいことがあるという気持ちにさせること。家族は最初からこの方法をとろうとするので失敗し、失敗体験となり更なるデメリット、ひきこもりを誘発してしまうのです。

大切なことは知り合いを増やし、相談を受けるとともに地域での受け皿を作っていくこと。まずは気持ちよく過ごし、ちょっとやろうかなという気持ちを持つことが大切ということでした。相談支援をするなかで、ひきこもりのケースがあるので参考にしたいと思います。

(相談支援専門員 大力 陽子)

 

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滋賀で行われたアメニティーフォーラムには、全国の事業所よりたくさんの方々が研修を受けに来られていました。フォーラムではさまざまなテーマのもとで研修が行われて、地域に視点を置いたお話や3年後の法律改正についてのお話が多かったように思います。

その中で一番印象強かったのは、東田直樹さん(作家)と東田美紀さん(お母さん)の「自閉症の僕が跳びはねる理由」「わが子の可能性を信じる子育て」という講演でした。以前NHKで放送された「君が僕の息子について教えてくれたこと」という番組で東田さんのお話が放映され、「出会いの場ポレポレ」にて拝見しました。その時に東田さんの事を存じ上げ、フォーラムで実際に御本人よりお話を聞かせていただきました。小さい頃から様々な取り組みをされており、特に印象に残っている事がフラッシュカードで、一種類のカードだけでなく、さまざまな種類のカードを組み合わせて(図や、英語表記、計算式が表記されているなど)飽きがこないよう、言葉の習得に繋げていったとのことでした。最後に質問を受けられていた際、沢山の人々の中での長時間の講演ということもあったためかステージ上を飛びはねたりお母さまへ問いかけを何度もされたりしていましたが、会話のできない重度の自閉症ということで、紙で作ったパソコンの文字盤をポインティングすることにより援助なしでコミュニケーションをし、長い質問に対しても時間をかけてしっかりと質問に答えておられました。

どんな障害があっても地域で共にみんなで暮らしていくために、私ができる事は何だろうか。そのためにどのような取り組みを考えていけるのだろうか、と改めて考える機会になり、刺激をいただいた研修となりました。(出会いの場ポレポレ 碇 翔南子)

 

2015年11月・12月、柳川療育センターにて現場研修を行いました。今後も、障がい児者の高齢化・重度化に対応した支援の充実・強化を図るために研修を重ねてまいります。

11月9日・10日と16日・17日、11月30日・12月1日、社会福祉法人高邦福祉会の柳川療育センターにて、「医療的ケア」の知識や技術を学ぶことを目的に、当法人は班に分かれて職員が実習に参加しました。

柳川療育センターは、福岡県柳川市にある重症心身障害児(者)施設。障害を持つ方々が社会の中で快適に生活できるように、入所と外来のサービスに努め、リハビリテーション、療育等も行っておられます。

今回、参加者の研修報告を紹介します。

 

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今回、医療的ケアが必要な方々が暮らす様子を2日間見せていただき、実習をさせていただきました。日頃、福祉サイドから生活を支えている私たちですが、柳川療育センターの現場を拝見したことで、清潔、不潔の感覚が全く異なることが分かり、感染対策は今後、多くの改善の余地がありそうです。しかし、感染対策を万全に行えば行うほど、消耗品に莫大なコストが必要になることも課題のように感じます。

食事については、誤嚥を回避するためにきざみ食のリスクは高いので、とろみ食を提供されています。当法人でも、すでに嚥下の研修を行いましたが、飲み込みの状態等の把握が今後は必要ではないかと思います。そうした時に、きざみ食なのか、とろみ食なのか、保護者の皆様にも一緒に勉強していただき、これからのことを考える時期がきていると思いました。

障がい者の重度化、高齢化に向けて、健康であり続けるため、私たちが何をすべきか、今から勉強していきたいと思います。  (管理者 北岡 さとみ)  

                

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当法人では、通所者・入所者が安心して地域生活を送るための体制づくりとして、障がい児者の高齢化・重度化に対応した支援の充実・強化を図ることに取り組んでいます。その取り組みのひとつとして、医療的ケアに対応できる支援体制の整備を進めているところです。

久留米市でも、平成23年度から、痰の吸引や経管栄養などの日常的な「医療的ケア」が必要な児童を事業所で夜間預かる「医療的ケア短期入所」を支援する事業を始めています。今回、当法人がこの事業を受託することになり、柳川療育センターにて「医療的ケア」の知識や技術を学ぶことを目的に研修させていただけることになりました。

1日目は、午前中オリエンテーション、午後からは、自分自身が利用者になり機械浴を体験させてもらったり、食事介助をさせていただいたりしました。2日目は、担当の指導者に付いて「医療的ケア」の必要な方のケアをさせていただきました。

2日間という短い研修期間でしたが、私にとってはとても充実した2日間でした。

五感の重要性や姿勢の大切さ、その人の立場になって考えるのではなく、その人自身になって考えないと気付かないことがあるというと、また経験や体験を通してその人の生活の質が向上することなど、改めて考えさせられる機会となりました。

また、安心・安全・快適に日々の生活するための環境設定や、衛生面、感染予防について、学ぶべき点もたくさんありました。

今回、柳川療育センターで学ばせていただいたことを、今後の当法人の医療的ケアに対応できる支援体制の整備にいかしていきたいと思います。 (出会いの場ポレポレ 鹿子島功子)

 

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柳川療育センターは、外来リハビリテーション、療育相談(成長や発達の相談、栄養や食事の相談、社会生活に関する相談、医療・福祉手続の相談など)のほか、重症児(者)通園定員5名、短期入所事業・日中一時支援 定員5名、入所者定員55名の事業を行っています。

初日は、オリエンテーション、入浴体験、摂食体験を、2日目は、PTの理学療法の見学、通所の様子の見学などをさせていただきました。

重症心身障害の方、また初めて会う方ということで、どうコミュニケーションをとればいいのか、どういうサインを出しておられるのかと考えながら接している時、最初に、私が出会いの場ポレポレに足を運んだ時に同じ気持ちになったことを思い出しました。

重症心身障害の方の対応ということで、衛生面、感染症への対策などしっかりとされていて、当法人でも今後、重度化、高齢化が進んでいく中で、対策を進めていかなければと感じました。

通所の場では、視覚刺激を感じることが発達への第一歩という考え方から、天井、壁にカラフルな飾りが施されていたり、活動の中でも快の刺激をということで、エアートランポリンを部屋で膨らませて、みんなで乗り、ゆらゆらとゆったりしたり、バインバインと跳ねたりと、とても楽しそうな表情やリラックスした雰囲気になっていました。

他にも、ハンモックでリラックスしたり、新聞紙相撲をしたり、年末には書き初め、干支飾りを作ったりなど、色んな事をされているそうです。

今後、取り入れることが出来るものはどしどし取り入れていこうと思いました。 

(出会いの場ポレポレ 前田 力哉)

 

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11月16日・17日の2日間、柳川療育センターで5班に分かれて研修を受けました。柳川療育センターの利用者は医療ケア、移動や着替え、トイレなど多くの部分で介助を必要とされる方々です。

言葉は喋れない利用者が多い中、どのようにして現場のスタッフの方々はコミュニケーションを取っておられるのか疑問を持っていました。

研修では、柳川療育センターのスタッフの方の同行のもと、食事介助やトイレ介助を経験させていただき、コミュニケーションの取り方も見ることができました。そこでは、利用者のわずかな目線や顔の表情を読み取って「YES、NO」を聞いたり、「ひらがなが書いてあるボード」をつかって意志を伝えたりするやり方などを拝見しました。

他にも、看護師・OT・PTなどの専門的な分野のスタッフがたくさんおられて、気づいた点を現場のスタッフに伝達し、みんなが情報を共通理解されていました。

今回、出会いの場ポレポレでは見ることができない経験をさせていただきました。今後はこの経験を活かしていきたいと思います。 (出会いの場ポレポレ 小川真太朗)

 

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今回の研修では、重症心身障害の方とのコミュニケーションの取り方等勉強になる事がたくさんありました。特に目の動き、眉の動き等でイエス・ノーを判断する等、日々の利用者さんの小さな変化も見逃さない職員の方々の姿勢は見習う点が多かったと思います。

また、重症心身障害の方が多い中、感染症予防がしっかり徹底されており手洗いひとつとっても日頃の自分の行動を見直す機会になりました。

さらに、利用者のベッドには、いつ・どの支援者が入っても同じ介助が出来るように「見える化」が徹底されており、私も日々の活動に取り入れていこうと思いました。 

(出会いの場ポレポレ 児玉 元気)

 

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今回、柳川療育センターの研修を受けて率直に感じた事は、10名程度のグループにスタッフが数名で対応する出会いの場ポレポレとは違い大人数の利用者様をスタッフ総出で入浴をしたり活動をされていて、ポレポレの日中活動やグループホームがいかに手厚い援助であるか、ということでした。

医療的ケアが必要な方々が約50名利用されている療育センターでは、午前8時過ぎに伺った時点でおむつ交換の真っ最中でした。1部屋5~6名の方をスタッフ総出で一斉におむつ交換されていたので、プライバシーも何もないと思ってしまいました。しかし、後のオリエンテーションでプライバシーより安全・命が大事だと言う事が分かりました。目・手を離さないということでプライバシーより安全を優先。また、五感の大切さも教えていただきました。私は1日目だけの実習を受けましたので、リハビリや療育的な事をもう少し知りたかったと思いました。

 (居宅介護センターカリブ 稲田 智美)

 

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2日間の研修では、重度の方がほとんどということもあり、感染症を防ぐための対策がしっかり構築されていることに驚きました。イソジンで陰部を消毒したり、消毒液を持ち歩いたりされていましたので、常に衛生管理ができています。室内はもちろんのこと、週2回しか入浴されない利用者の方々から排泄臭が全くしません。

衣類の洗濯では、必ず洗剤と一緒に次亜塩素酸を小量入れ、乾燥機にて熱により殺菌がきちんとされています。次亜塩素酸入りの洗濯や消毒液の持ち歩き等はすぐにでも取り入れたらよいのではないかと思いました。

こちらの施設では姿勢をとても大切にされており、姿勢が崩れることにより内臓にまで悪影響を及ぼすため、時間をかけ姿勢を正しく保つようリハビリに力を入れられていることがとても印象に残りました。例として、PTの指導を見学。そこでは、筋緊張により長時間同じ姿勢をされている影響で喀痰がたまり呼吸が苦しい方を少しずつご自分の力で緊張をほぐすようリラックスさせ、胸を開き自発的に呼吸が楽になるように手助けをされていましたし、姿勢がこれ以上悪くならないようリハビリを継続されていました。とてもうらやましい環境だと思います。今後、車いすの方の姿勢に着目し、私たちが出来ることは何かを考え、取組んでいきたいと思いました。 

(出会いの場ポレポレ 石橋 千鶴)

 

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柳川療育センター内は1~3階まであり、それぞれの場所で活動をされていました。私が2日間の研修でとても印象強く残っているのが、理学(PT)、作業(OT)、言語聴覚(ST)の部分と感染予防に対しての対策についてでした。

座位保持装置に座られる時の姿勢や、横になられた時の姿勢保持、一つ一つの動作等、ゆっくりと丁寧にそれをリハビリスタッフだけでなく他職種のスタッフ一人一人が感染予防に徹底して取り組まれており、私達の日常を見直すことが多くありました。

また、職種に関係なく連携されている姿があり、考えさせられる事が多くある研修となりました。                               

(出会いの場ポレポレ 碇 翔南子)

 

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柳川療育センターでは、職員の皆さんが看護・介護・保育等の資格を持たれるスペシャリストが揃っておられ、医療・療育に努めておられます。

外来診療では、療育において早期発見・早期治療が望ましく、小さなお子様をPTの方が温かく愛おしそうに訓練されていました。

今回の研修において、医療的ケアの現状を見学させていただき、医療の大切さを感じました。

入所の方々とのコミュニケーションを通し、快・不快のサインを見つけ現状を知る事。安全・安楽に援助する為の留意点、タッチングを利用し表情や行動から知る、目線・立ち位置を合わせ、常に疑問を持つ事等、改めて考え直す事ができました。

相手を変えるのではなく「自分が変わる」。松尾看護部長の言葉から教えられた2日間でした。 (グループホーム世話人 今岡 勝美)

 

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柳川療育センターは重度の方の入所ということで、自分達が寝る場所と活動する場所は同じ階にあり、当法人のグループホームの生活とは違う形だなと感じました。

朝礼では、夜勤者からの報告に加え、教本をその日の担当が読み、医師が追加して病気の話をされ、日々違った病気の知識も勉強されていました。また、一人ひとりのことをみんなで考える取り組みがされており、利用者の担当が、皆の前でその方の最近の様子を話す。そして、それに対して、こうしてはどうかという話をされていました。チーム医療と聞いたことはありましたが、介護の現場でも実践されているのが印象的でした。

また、センターでは、介護福祉士を持ちながら保育士の資格を持っている方が何人かいらっしゃいました。保育士資格を持っている人は、保育士の研修にも行き、そこで学んだことをまた普段の活動に活かされているのです。保育の部分で学んだことを介護の現場で活かす取り組みが自分はとても面白いと感じました。

研修では、どの職員の方もこれまでたくさん実習生を受け入れている経験から、こちらの質問に対してたくさん答えていただきました。私自身が直面した、365日対応が必要になった時の話をすると、後見人さんとはどんなやりとりをしているのか、ご家族とはどのようなやりとりをしているのかなど、色々聞かせていただきました。

そして、療育センターでは、病院で亡くなられた利用者の方は柳川療育センターに戻ってきてもらい、入浴、整容を行い、最期のお別れをされているとのことです。

普段、出会いの場ポレポレで働くだけでは知ることのなかったことをたくさん勉強させていただき良い研修の機会となりました。(GHチェムチェム 白數 直基)