社会福祉法人 拓く

イベント・研修 (研修)

9月、「誰もが暮らせる地域づくりフォーラム2015」に参加しました。地域で当たり前に暮らしている当事者3名が登壇。今回も、私たちの意識を変える良い機会となりました。

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フォーラム登壇者の岸本彩さんと一緒に

 

9月13日(日)、「誰もが暮らせる地域づくりフォーラム2015 いのちと存在の価値~誰もの社会的なはたらきを明確に~」が、兵庫県伊丹市にて開催されました。

主催は、NPO法人地域生活を考えよーかい、共催は有限会社しぇあーどの皆さんです。

今回、当法人より7名が参加。ここで、6名の研修報告を紹介します。

 

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3年前(2012年)、「医療的ケアはとても難しい」と思っていた私たちにとって、ハードルを下げてくれた有限会社しぇあーどとの出会いがありました。そこでは、若いヘルパーさんが気管切開して人工呼吸器を付けた方の移動支援をしていたのです。それも何人も。まさに「目からうろこ」でした。

そして、2年前(2013年)、このフォーラムに参加した時に、沸き上がるような感動をいただきました。全てが感動、それを久留米に持ち帰りそのまま発信したいと思い、半年後、気管切開をし、スピーチカニューレをした青野浩美さんのコンサートと清水明彦さんの講演会を久留米で開催しました。(詳細はこちらへ→「コンサート&講演会」)

同時に、法人として医療的ケアに向かいました。現在、喀痰吸引の研修会開催や実際に医療的ケアの方、4人を対象に実施しています。

当法人の事業を推進してくれたフォーラムに、今回は7名で参加しました。

フォーラムは、気管切開され人工呼吸器を付け、地域で当たり前に暮らしている当事者3名のセッションで始まり、インパクトが強かったです。超重症者である当事者3名のセッションの場がこの時代に拓けたということに大いに共感し、歴史的にここまできたのだと感銘をうけました。その先頭を走っているしぇあーどの李国本修慈さんに出会い、支えられながら「どんな状態になっても地域で」とこだわりつづけ、当法人も遅ればせながら、医療的ケアの必要な方の地域生活を可能にしようと走りだしています。

また、横浜の「朋」の創設者である日浦美智江さんの講演もありました。日浦さんのおトシは77歳。日浦さんには1993年から1995年にかけて、共に生きる場「JAMBO」を作る時に、みんなで研修に行ったり、久留米での講演会に講師として来ていただいたりしました。日浦さんは重度心身障がい者の通う施設「朋」を「文化施設としての社会福祉施設」と表現しました。このことは「誰もが暮らしやすい社会づくり」につながると提言されています。まさに、当法人が目指す姿でもあります。

このフォーラムに参加し、超重症者の方の地域生活を支える取り組みはとても「厳しい」ことかもしれないけど、とても「素敵なこと」だということを改めて思い、ファイトがでました。

(常務理事 馬場 篤子)

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前回のフォーラムは、気管切開しても声楽家として活躍されている青野浩美さんや重度障がいのある方のヘルパーを利用した一人暮らしなど、衝撃的で意識を変えさせられる講演会でした。

今回は午前中、障がい当事者3名が登壇され、「これまでのこと、これからのこと」についての講演がありました。3名ともストレッチャーに吸引器や呼吸器、パルスオキシメーター、バッテリ-を積み込み、言葉はなくてもちょっとした舌の動きや指の動きを頼りにコミュニケーションをする20代の若者たちでした。

彼らは、地域の保育園や小学校を卒業し、24時間のヘルパーを利用しながら、保育園で働いたり、海外旅行をしたり、好きなおしゃれをしたりしながら親元を離れて暮らしておられます。講演では、「医療的ケアは特別なことではなく、日常のこと」「専門性ではなく関係性」「人生に関わる私たちに興味を持ってほしい」と。例え、障がいがどんなに重くても、医療的ケアが必要であっても「私らしく生きる」ということが根底にあり、同じように重い障がいがある人のためにも自分たちが道を切り拓くという先駆者たちでした。

ご本人が自ら人生を選び、自分の存在そのものでその権利を勝ち取っていく。そういう支援を当法人としても推進していきたいと改めて思いました。

午後は、青野さんの歌や同じく気管切開をしている高校生との楽器演奏のセッションがありました。また、社会福祉法人 訪問の家(神奈川県)の日浦さんによる長年にわたる重度障がい者の地域生活を支える実践を踏まえたプレゼンテーションは、一つひとつのメッセージが重く響いてくる内容でした。今回も衝撃的で意識を変えさせられる、とても前向きになれる講演会でした!

                      (グループホーム責任者 浦川 直人)

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フォーラムでは、一人暮らしをしている3名の方のお話を聞くことができました。皆さん、気管切開をされており、食事は経管栄養、人工呼吸器をつけて生活されている方でした。ご自身のことをお話してくださったのですが、気管切開をしており話すことができないので、事前に準備しておられた文章を支援者が代読するかたちで、自分たちの思いを伝えられました。その内容は、いろんなことを決めるのに自分で選択して決定して、今の生活があるということでした。

今の生活を手に入れるために、たくさんの壁があったことと思いますが、自分らしく生きたいという強い気持ちが人を動かし、希望が現実へと動いたのだと感じました。命の輝きと、たくさんのパワーと、明日への活力を頂きました。       (出会いの場ポレポレ 鹿子島功子)

 

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フォーラムでは、人工呼吸器をつけて在宅で暮らしている当事者3名の皆さんのお話を聞きました。「私たちの暮らし方」ということで発表され、とても感動しました。

そのお一人、バクバクの会編集長の平本歩さんを紹介します。バクバクの会とは人工呼吸器をつけた子の親の会で、アンビューバック(手動式人工呼吸器)を押す音がバクバクすることから名付けられたそうです。

平本さんは生後6カ月から人工呼吸器をつけ、現在24時間、つけて生活されています。退院後、私立保育園に入園され医療的ケアは研修を受けた保育士が保育の一環として行ったとのこと。プールに入ったり、キャンプに行ったりしたことは大切な思い出だそうです。

小中高校では「医療行為を保護者が責任もって行う」という条件つきですが、公立の学校に通われました。学校に通うと色々な困難があったそうです。2階への移動は危険を伴うのでだめと言われれば、2階への移動を公開実演して許可をもらったり、高校の最寄りの駅にエレベーターがなかったのでJRと交渉して設置してもらったりと常にバリアを乗り越えて来られました。学生時代の平本さんは、先生や介護士によるケアが受けることができれば父の付添いがなくてもいいのにといつも思っていたそうです。

卒業後、卒園した私立保育園にボランティアで先生として通い、園長先生に就労の意思を伝え1カ月後に返事をもらい、就労することになりました。お仕事はヘルパーさんと一緒にピアニカの演奏などをしているそうです。それから、助成金を受けて一人暮らしも始めましたが、風邪をひいたり、耳や体に出来物ができたりと体調管理の難しさを感じたそうです。

2人目は医療的ケア連絡協議会代表の岸本彩さん。シュシュやジェルネイルなどとてもオシャレが大好きな方です。

中2の時に誤嚥性肺炎になり、気管切開を余儀なくされ、経管栄養をすることになりました。ですが、先生が介助できなくなり、看護資格を持つ先生に頼むも断られました。そこで、昼食の時間に親御さんが来て経管栄養を行っていたそうですが、それがとても嫌だったそうです。その時は、重度児へ看護師派遣することを限定的に認めてもらい、私的、公的負担半々で行いその問題は解決しました。その後、特別支援学校の高等部を卒業され、大学受験を希望して別室受験を受けたそうですが残念ながら不合格。ですが、聴講生として週に1回大学に通われました。

そして、医療的ケアの必要な人の生活支援モデルとして、3LDKの部屋で折田涼さんとルームシェアをポムハウスで始めました。ストレッチャーの生活では、スロープや廊下、ドアの幅の制約がありますし、ヘルパーが多く出入りするなどの問題があったそうです。

現在は、医療的ケアの拡散、ヘルパー養成研修、自立生活体験ルームの開放などに取り組まれ、いろいろな所に外出したい、バスのストレッチャー稼働スペースが欲しい、毎日お風呂に入りたいなど希望があるそうです。

最後は、NPO法人ポムハウス代表理事の折田涼さんです。

幼少期にミルクを誤嚥して気管切開をし、人工呼吸器をつけることになりました。当時人工呼吸器を使う場所は病院に限られ、人工呼吸器をつけて外出、外泊するなど想像できなかったそうです。そんな中でも在宅で暮らすため、医師の指導を受けたり、自費負担で在宅設備を揃えたりして在宅生活を始めました。

小中高校と進学され、大阪から北海道への修学旅行もご両親抜きで参加。折田さんの周りにはいつも友達がいて、誰かが人工呼吸器の様子を気遣い、一緒に食事をし、笑い、楽しく過ごされ、医療的ケアが間近にあると、周りの人にとって当たり前になってくるとのことでした。

折田さんは普段、介助者への思いやりを持って接するようにしておられます。特に新人のヘルパーに対しては、どうでもいい話を聞いてあげたり、返事を大きい声でしてサービスしたりしているそうです。

3名とも共通しているのは、ご本人らしく生活するために、どうしたらよいか常に考え行動されていること。そして、それを支える人たちが周りに集まり、拡がってきたことだと思います。今後、私たちも支援する中で、「今、できないこと」を「できない理由」を探して避けていくのではなく、「できるようにする方法」を常に探してチャレンジしていきたいと思いました。

(出会いの場ポレポレ 前田 力哉)

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フォーラムでは、初めに平本さん、岸本さん、折田さんのお話を聞きました。皆さんは親元を離れそれぞれの道を進み、一人暮らしをされています。自分の夢に向かって頑張る3名の皆さんはとてもキラキラと輝いていて、お話を聞く中で考える事がたくさんありました。

障害がある、なし関係なく、何かを成し遂げることって本当に大変だと思います。人間は失敗を恐れ挑戦することが難しいこともあります。しかし挑戦していかないと経験や学びは得られません。今回このフォーラムでそれを改めて学ばせていただきました。

昼からも青野さんのコンサートや日浦さんのお話と刺激をいただいたフォーラムでした。

                           (出会いの場ポレポレ 碇)

 

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午前は「最強の三人」と言われるバクバクの会編集長の平本歩さん、医療的ケア連絡協議会代表の岸本彩さん、NPO法人ポムハウス代表理事の折田涼さんの、「自分らしく」を追究してきたそれぞれの物語を聞かせていただきました。重度心身障がい者と言われる3名の皆さんは豊かな子ども時代を過ごされ、現在は「地域の住人」として一人暮らし(24時間2人態勢で1カ月1488時間が必要)をされています。

折田さんは、「呼吸器、アンビュウは医療的ケアと言う特別なものではなく生活介助であって、親だけでなく誰もが手助けできるようになるためのケア研修が行われるようになった時、初めて一人の人として認められた気がする」と話されました。

午後からは青野浩美さんの素敵な歌声と語り、高校生のドラムの演奏に引き込まれました。

今回、社会の中で障害を抱えた彼らが困難を乗り越えながら自分の夢に向かって一生懸命生きている姿に圧倒されました。誰もが当たり前に「地域で生きる」ことの実現に向かって私も繋がっていきたいと思います。元気と勇気をもらった研修会でした。 (御井あんだんて 森田さかえ)

 

〇「誰もが暮らせる地域づくりフォーラム2015 いのちと存在の価値~誰もの社会的はたらきを明確に~」

詳細はこちらへ →

 

 

 

 

 

 

9月、柳川療育センターにて、医療的ケアの必要な方への支援について研修をしました。専門的な知識や技術、環境、体制整備の大切さを学びました。

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9月7日、8日の両日、社会福祉法人高邦福祉会 柳川療育センターにて「医療的ケア」の知識や技術を学ぶことを目的に、当法人から6名の職員が実習に参加しました。

柳川療育センターは、障害を持つ方々が社会の中で快適に生活できるように、入所と外来のサービスに努め、リハビリテーション、療育等も行っておられます。

今回、参加者の研修報告を紹介します。

 

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今回、お世話になった柳川療育センターの松尾看護部長は、2003年9月、当法人が重症心身障がい児(者)のガイドヘルパー養成研修をする際に、講師としてお願いした方です。お会いした時、フットワークの軽さと、重症心身障がい児(者)支援へのみなぎるような熱意を感じました。その時も、そして12年後の今もですが、「いつでも柳川療育センターに研修にいらっしゃい」と多くの人に呼びかけ続けておられ、実際に大勢の実習生を受け入れ、丁寧に熱心に教えておられます。今回も松尾看護部長を始め、医師や看護師、事務職員など全ての職員の方々が、私たちを実習生として快く引き受けてくださいました。柳川療育センターは名実ともに、「地域に開かれた医療療育施設」だと実感しています。

今回、当法人から私を含めて実習生として6名が喀痰吸引研修を受けました。看護師の3名の皆さんに付いてもらい、こちらの要望に応じて丁寧に教えていただきました。お忙しいのに、1日目はオリエンテーション、2日目はきちんと反省会の機会をもっていただきました。高齢化、重度化していく当法人にとって、とても有意義な研修になりました。12月までに、さらに9名のスタッフにこの研修を受けさせたいと考えています。   (常務理事 馬場 篤子)

 

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柳川療育センターの入所者の皆さんは、ほとんどが喀痰吸引や胃ろうをつけておられ、細やかな医療的配慮が必要な方たちばかりで、パルスオキシメーターや人工呼吸器、吸引器、酸素などの医療器具が至る所にありました。

オリエンテーションでは、話を聞くだけではなく、横になってベッド上での視線確認、ペースト食を食べる、特殊浴槽での入浴など実際に自分で体験するプログラムが組み込んであり、座学だけでは得られないたくさんの気づきがありました。

現場では、朝の起床介助から夕食まで、着替え等の身体介護から痰吸引、導尿等の医療的ケアまで、看護師さんに付いて見学しました。朝礼では、医療用語を使い一人ひとりのバイタルや状態について細かく引き継ぎが行われていました。介護職の私たちには分からない言葉がたくさんでした。また、痰を出しやすくし、感染予防に効果的だという、陽・陰圧体外式人工呼吸器(RTXレスピレータ)や人工呼吸器(VPAP)を使用したケアも見学しました。

やはり、医療的ケアの必要な方については、専門的な知識や技術、環境が必要であることを改めて感じました。研修で学んだことを当法人の体制整備に活かしていきたいと思います。

                        (グループホーム責任者 浦川 直人)

 

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柳川療育センターでは、重度の障がいを持つ方々が医療や介護、教育、リハビリなど総合的な

サービスを利用しながら365日を暮らしておられます。50名の方が過ごすには、大きな理念と職員の方の細やかな配慮がなければ安全な暮らしは保たれないと感じました。

言葉はなくてもコミュニケーションを図ろうとし、音を聞いたり触ったり重さを感じるなど五感に働きかけることで世界を広げ、その場所で皆さんが一所懸命に輝こうとされている姿が印象的でした。                                                (出会いの場ポレポレ 上村 千尋)

 

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重度心身障がい児(者)施設「柳川療育センター」の研修に参加し、まず職員の方々がテキパキと笑顔で働いておられる姿が印象的でした。そして、医療的ケアが必要な重度心身障がいの方々の現状を見せていただき、福祉現場の中で働かせてもらっている私は医療の大切さと福祉の関連性を改めて感じた二日間でした。

研修では、看護師の方に付いて入浴体験等をしましたし、特におむつ交換や衣服の着替え、食事介助といった基本的な介助を学ぶ機会となり、とても勉強になりました。トイレや床等がとても清潔に保たれていたことなど、私たちが早速できることから実践していきたいと思います。ヘルパーとしての基本の「基」を学ぶことができました。    (御井あんだんて 森田さかえ)

 

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拓くでは、医療的ケアが必要な重度心身障がい児(者)を対象とする事業が始まり、そのための知識や技術を学ぶため柳川療育センターにて研修を行いました。同センターでは、重度の知的障がい及び重度の肢体不自由が重複している幅広い年齢の方が入所され、これを保護するとともに治療及び日常生活の指導が行われています。

業務は一人ひとりの状態の申し送り→検温→日中着への着替え→処置→リハ(呼吸・身体等)→療育等。それぞれに必要なケアが丁寧に行われています。それらにより血中酸素飽和度100%か、それに近い状態に保たれています。

松尾看護部長の強い信念の基、職員がそれぞれの職種の専門性を尊重し、学び合い、入所者の生命や生活を守っておられる姿が随所に見られました。医療・療育両面から入所者のために良いと思われる事に沢山取り組まれていました。

お話を聞く中で、入所であるがゆえ、その命や生活は、対応する職員の力に左右されるという言葉がありました。又、生活を守る情報が職員間に共有されており、ケアに結びついていました。在宅での医療的ケアには壁も沢山ありますが、知識の裏付けの基、その方々が自宅で安心・安全に暮らせるような手助けが沢山できるよう努力する大切さを感じる研修でした。 (看護師 渡邉 智香)

7月、「第12回日本グループホーム学会 全国大会in京都」に参加しました。 キーワードは、シェアハウス、意思決定支援…。“あつい”出合いがたくさんありました。

 

2015年7月11日(土)・12日(日)、京都市で開催された「第12回日本グループホーム学会 全国大会in京都」に、当法人より7名が参加しました。

主催は、障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会です。

参加した6名のレポートをここで紹介します。

 

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2013年に当法人が事務局を引き受け、久留米市で開催した第10回全国大会は、当日、700名を超える参加者でした。昨年は「福島」、そして今年は「京都」での開催となり、熱き出会いの場となっています。

グループホーム学会との出会いは約10年前。北海道伊達市の小林繁一さんが、九州に学会委員がいないので、学会委員を担って学会を開催して欲しいと依頼がありました。福岡市のリーダー的存在の進藤施設長と話し合いをし、後日、野の花学園で学会を開催することになりました。こうしてグループホーム学会は九州に上陸したのです。

その打ち合わせのために、当時のグループホーム学会会長の室津滋樹さんにお会いすることになったのですが、それは当法人にとってはとてもラッキーな出会いとなりました。2006年1月8日、長崎県大村市の認知症高齢者グループホームの火事(7名の高齢者が亡くなられた)の調査を兼ねて九州に来られるということで、私もお願いして調査の同行させていただきました。火事から1週間も経っていなかったので、焦げた匂いがし、生々しく痛ましかったのが印象的でした。立地は海岸が見える風光明媚な場所でしたが、周辺に民家がなく、腰の高さにある窓で、火災が起きた時、救出、初期消火、通報などすべてを1人の夜勤者でするなどできないということがまざまざと分かりました。

その頃、当法人は重度心身障がい者が入居するグループホーム「ニュンバ」を建設中でしたが、その運営に悩んでいたところ、室津さんから、ヘルパーを利用するスタイルにしたらというアドバイスをいただきました。そのアドバイスのお陰で、現在、どんなに重い障がいの方も、少人数でも、グループホームで暮らし続けることができています。

グループホーム学会には毎年、数名の職員や保護者、当事者を誘って参加しています。この大会に参加すると初心や大切なものに立ちかえることができます。  (常務理事 馬場 篤子)

 

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当法人は、ある入居者の家庭の事情で、本格的にグループホームの365日体制に向けての取組みを始めたところです。ほんの数ヶ月ですが課題が次から次に出てきます。限られた収入、手厚い人員配置が取れない中、グループホームでどうすればより豊かに生きられるだろうか、といろいろな課題を胸に本大会に参加しました。

本大会は「シェアハウス」「意思決定支援」「人材確保&育成」「厳しくなる消防法」「地域生活支援」などをキーワードに多角的な視点からのプログラム構成でした。

グループホーム入居者も登壇され、「障害の軽い人も、周りから分からないと思われているような障がいの重い人でも意志は必ずある。壁を叩いたり、表情を変えたり、いろいろな方法で意志を表していると思う。どんな人でも何かを決める時には入れて欲しい」「自己決定で大切なのは結果ではなくプロセスだ」という発言は考えさせられました。

講義の中で特に印象的だったのが、次のような点です。

「グループホームの暮らしを考える上で、なぜ施設や病院が駄目なのか。もう一度原点に立ち返り、考える必要があるのではないか」

「管理の対象となっていないか」

「ますます自己決定から遠ざかっていないか」

「本人を中心にみんながエンパワメントしていく支援こそが地域支援ではないか」

「これまでは制度がないところから創り上げてきた時代があり、今はたまたまサービスとしてあるが、一番恐れるのは、結果的に制度にはまってしまう(保護的に人の存在が始末されていく)こと。そこに陥らないようにみんなが立ち上がっていくことが大切である」

以上のように、グループホーム学会の理念「誰でも自分の意志にもとづいて、地域で暮らせる権利をもっています…」のエッセンスがたくさん詰まった講演会でした。これから私たちが事業を推進するにあたって、その都度原点にかえり、考えていく必要があると改めて感じました。

また、グループホームを実際に運営している人たちと意見交換することができたことはとても有意義でした。どこも同じような課題がありながら、次々に出てくるニーズや課題に揺らぎながらも、何とかしたいという思いに突き動かされながら推し進めていかれています。これからも県を超え、他の事業所とつながりながら、より良い暮しの支援を模索、展開していきたいと改めて感じました。                        (地域支援課 浦川 直人)

 

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今後のグループホームのあり方や、それぞれの暮らしをどう支えていくのか、課題山積の今、大事にしていくべきことがはっきりと見えてきた2日間でした。

「どんなに障害があろうとこの街で暮らし続けたい」ということを追求し、グループホームは立ち上げられました。ふと考えます。自分からグループホームでの暮らしを選んだ人はいるのでしょうか?ご本人さんに、今こそ「どこで・誰と・どんな風に暮らしたいか」を投げかける事も必要ではないでしょうか。かけがえのない人生の中での出来事を何かの形で選択し、決定する事は大事なことだと考えさせられます。

そして、小さな体験や経験を日々の暮らしの中で積み重ねる中、リスクもあり失敗を犯すこともあるでしょうが、どんな時もご本人に寄り添いサポートすること。また、使いうるあらゆる表現・表出・表明方法を駆使してご本人自身が想いを表明することを支援することが大事であると再認識しました。グル―プホーム・サテライト・一人暮らし・シェアハウス・家で暮らすといった様々な形の暮らし方が広がるようになれば良いと思います。    (地域支援課 安倍弥生)

 

IMG_0129  グループホーム当事者委員会の題目

 

支援スタッフにとって、支援の行き詰まりや、孤独感を感じることは少なくありません。相談や会議を経て解決するべき悩みがなかなか解消されず、結果、そのストレスに押し潰される…。

そういった状況を避けるための独自の取り組みを、北海道にある「はるにれの里」さんから講義を受けましたので、ここで紹介します。

まず、スタッフが一定水準の技量を身に付けられるよう、定期的に研修会を開催するということ。これは当法人でも行っていることとは思いましたが、ユニークなのは、懸賞金を設定して実践レポートの発表会を行っている(!)という点です。大胆な取り組みだとは思いますが、それぞれの技量を把握したり、支援方法を確認しあえたり、切磋琢磨と相談連携を並行して行える、面白い試みだと感じました。

次に、スタッフのメンタルケアのため、ストレスチェックアンケートも行っているとの事です。

アンケートには、もちろん不満も少なくない様ですが、そこで挙がる意見を若手で構成された「将来構想委員会」で議論し、運営委員会に提起していく事で、勤務体制やチーム体制の見直しに繋げているとの事でした。

「はるにれの里」さんがスタッフのメンタルケアに一番必要としているのは、人と人の繋がり、相談しあえるチーム体制だそうです。ふと気づけば相談を忘れ、孤独になりがちな支援者が、同僚や上司との繋がりを保ちながら、時には競い合い、前に進むための組織づくり…。講義を聞いて、とても勉強になりました。機会があれば、一度実際に見学してみたいです!

                          (出会いの場ポレポレ 姫野 健太)

 

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7月11日(土)・12日(日)、京都で開催された第12回日本グループホーム学会全国大会に参加してきました。障がい福祉を巡る諸制度は大きく変化しています。グループホームに入居される方々も全国で9万人を数える程になったそうです。

今回の大会では、「意思決定支援のあり方」や「スタッフの確保・人材育成」など、現在、私自身も頭を悩ませている部分が議題に挙がっていました。その中で、グループホームが入所施設化しているのではないかとのお話もありました。

365日体制や福祉サービスの縮小傾向がある中で、今後どのように入所施設との差別化をしていくのか。これは、周りが決めるのではなく、しっかりとご本人を中心とした個別支援を進めていかなければならないと改めて感じました。

(出会いの場ポレポレ 前田 力哉)

 

 

 

7月11日(土)・12日(日)、僕はグループホーム学会として京都に向かいました。

1日目の昼食は、ニシンうどんを食べました。なかなか美味い珍しいうどんでした。

テルサからバスに乗り、蒸気機関車の展示された博物館で蒸気機関車をいっぱい見ました。

続いて、京都水族館ではイルカショーを見たり、クラゲ等を見たり。京都水族館も悪くなかった!

京都のグルメも美味いものがいろいろあって良かったし、様々な人と色々話したりできて本当に良かったと思います。                (当事者    南の家ほっと 池田 遼)

 

■開催概要

2015年7月11日(土)~7月12日(日) 京都市

主催:障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会

共催:日本グループホーム学会 全国大会in 京都 実行委員会

 

■大会開催の趣旨
障がいのある方の地域生活に、グループホームは大切な役割を担ってきました。

入居される方々も9万人を数えるようになりました。一方で入居される方々の高齢化や重度化への対応が急務とされています。まさに多様な課題に直面している今こそ、当事者の声が大切にされる居場所を広げていく必要があるといえるでしょう。

 

 

 

 

 

3月 全体スタッフ会議で、平成27年度事業計画の重点実施項目を確認。  虐待防止の勉強会も実施しました。

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3月28日(土)、恒例の全体スタッフ会議が開催されました。

平成27年度の事業計画の重点実施項目の一つとして、ホームページの更新を掲げられていました。今回、改めてホームページを見てみると、様々な行事や研修会に参加してのスタッフの感想や報告が掲載されていました。他にも「安武そら豆が実をつけています」や「惣菜処ぽれぽれで店舗の一部改修工事が行われました!」「12種類の地産地消のこだわりのおかずに豚汁付きの1200円弁当の大量注文を受けました!!」等々の記事が写真付きで掲載され、関係者の意気込みまでが伝わってきます。

現在、当法人のスタッフ数は133名。外部への情報発信は勿論のこと、スタッフ間の情報共有のためにも、今後もしっかり確認していきたいと思いました。

 

事業計画では、他に工賃アップの取り組みとして関係事業所の役割・機能の整理を行い、商品の外観・味覚・デザイン等に優れた独自ブランド商品の開発を進めることや農業生産のためのスタッフの技術習得等が挙げられていました。

又、通所者・入居者の皆さんが安心して地域生活を送るための体制づくりとして喀痰吸引や強度行動障害支援者養成等の研修に向けた準備を始めているとの報告がなされました。

 

最後に、相談支援員の大力さんによる虐待防止についての勉強会がありました。福岡県内の知的障害者更生施設での虐待事件を例に挙げ、「虐待を行っているスタッフを見ていた周りのスタッフ全員が『良くない事』だと認識し疑問を感じながらも、パニック時の対処法が分からず、忙しさも加わり、その状況が常態化し事件に発展していった」という経緯を知りました。とても怖い話ですが、決して他人事ばかりとは言えないと話されていました。

又、利用者さんの名前を「ちゃん」付けで呼ぶのは虐待にあたるか否かを、みんなで考える時間が設けられました。自分たちも知らずに不適切な行動をしているのではないか?このような一つひとつのことが虐待につながる可能性のあることを心に留めておいてほしい、とのお話が心に残りました。

 

出会いの場ポレポレでパートスタッフとして関わって、早10年になります。様々な研修に参加し、スタッフや利用者の皆さんと関わる中で多くのことを学ばせていただき、日々楽しく仕事ができていることに感謝しています。        (パートスタッフ 長沼美重子)

 

 

 

2月 第2回介護ニュービジョンセミナーに参加しました

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2月23日(月)、一般社団法人日本在宅介護協会九州・沖縄支部の主催による「第2回介護ニュービジョンセミナー」が、学校法人麻生リハビリテーション大学校にて開催されました。

今回は間近に迫った「介護保険法改正」、福岡県における「認知症施策」についての2部構成。

当法人より研修として参加した2名のレポートを紹介します。

 

 

いわゆる「2025年問題」という言葉がよく聞かれるようになりました。2025年は団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる年です。2200万人、4人に1人が75歳以上という超高齢社会が到来します。これまで国を支えてきた団塊の世代が給付を受ける側に回るため、医療、介護、福祉サービスへの需要が高まり、社会保障財政のバランスが崩れると想定できます。これに備えて、国は公的なサービスだけでは対応できないと考え、自助、共助の力を高めようと少しずつ政策誘導をしています。

来年度、介護事業者は報酬改定により、軒並み報酬が下がり、事業を継続できなくなる事業者も増えてくると思います。また、「認知症」の方が増大すると思いますので、地域包括ケアシステムが急がれます。

そこで、当法人が既に行っている「地域食堂」や「笑顔の会」「つむぎの会」「住民による移動支援『でてこんの』」などを介護保険の総合事業に位置付けるかどうか、法人内部でも、市とも協議していきたいと考えています。 (常務理事 馬場篤子)

 

 

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 【講演内容】

●介護保険制度改正と今後の展望

一般社団法人シルバーサービス振興会

常務理事 中井 孝之

●介護予防・日常生活支援総合事業について

●「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」

  ~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~

 

 

日本在宅介護協会とは、「介護サービス事業の質的向上と充実」「広く一般に対する啓発・普及」「民間事業者の健全な発展を促し、高齢化社会の安寧に寄与する」という目的を持つ団体であり、全国250の事業者が会員として参画しています。

今回の研修では、「介護保険制度改正と今後の展望」や「福岡県における今後の認知症施策」という、これから介護福祉がどう動いていくのかという視点での講演がありました。

これから迎える超少子高齢化社会を目前に控え、これまで以上に介護の重要性は高まってきます。

さらには、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで威厳をもって続けることができるよう、医療・介護・予防・生活支援等が一体的に提供される地域包括ケアシステムが求められます。

つまり、医療・介護・予防・生活支援等が一体となり、その地域に住む高齢者や障がい者を支える力がもっと必要になるということです。これまでの公助(行政による支援・公的なサービス)でなく、自助(他人の力によらず、当事者本人の力で課題を解決すること)や互助(当事者の近くにいる近しい人が自発的に手を差し伸べること)という考え方にシフトしていくのです。

当法人の大きな目的でもある「日常生活を地域社会において営む」という事が大きくクローズアップされている今、拓くでも介護従事者における喀痰吸引研修の開催や医療的ケアが必要な方への支援を通して、これから大きく変わる時代の流れに遅れまいと取り組んでいます。

出会いの場ポレポレを利用されている皆さんのことを考えて取り組む事は、これからの自分の暮らしを考える事にも繋がり、安武のこれからの事を考えて取り組む事は日本全体の事を考える事にも繋がります。今回の研修は、自分が考えても何も変わらないという思いを捨て、まずは身近な人たちのために動くことが必要なのだと改めて感じる機会となりました。

(ポレポレ介護支援センター 中村)