社会福祉法人 拓く

イベント・研修 (研修)

1月10日(土)・11日(日) 「コンサート&講演会」を開催しました 重度障がい者や障がい当事者の地域生活の支援について考える機会となりました。

DSC09183DSC09208

 

2015年1月10日(土)・11日(日)の両日、難病のため気管切開で声を一度は失いながらも現在は歌手である青野浩美さん(京都府)と、とりわけ重い障がいのある方の地域生活を切り拓いた西宮社会福祉協議会事務局長の清水明彦さん(兵庫県・青葉園前園長)のお二人をお招きし、「コンサート&講演会」を開催しました。

この行事の開催にあたっては、実行委員会の「重度障がい者の地域生活を考える会」を立ち上げ、当法人を始め久留米市内の重度障がい者の支援に関わる事業所や団体が一体となり、広報活動や当日の運営などに取り組みました。

1日目の会場は出会いの場ポレポレで開催し、参加者は90名。2日目は聖マリア学院大学で開催し、111名のご参加をいただきました。

 

チラシ(表) 開催チラシ

 

今回の「コンサート&講演」は、難病を患い気管切開を余儀なくされながらも声楽家の道を切り拓いた青野さんの体験談を交えてのコンサートから始まりました。

会場に歌声が広がった時は、カニューレ(※)を装着されているとは思えないほどの美しい声に驚くと共に、気管切開をした人はよどみなく歌う事が出来ないのではというこちらの意識を変えました。

青野さんは、医師から「気管切開した人が歌えるようになった前例がないので無理だ」と言われながらも諦めずに、適合するスピーチカニューレ(声を出すことができるカニューレ)に何度も挑戦。ついには歌えるようになった実体験から、「前例がないからといって諦めるのではなく、前例がなければ作ればいい」という力強いメッセージをいただきました。

最後の曲は「BELIVE」。曲中の「悲しみや 苦しみが いつの日か 喜びに変わるだろう…」という歌詞に深い思いを込めて歌われ、多くのエネルギーと元気をいただきました。

 

次に、清水さんが登壇され、重度障がい者の地域生活を切り拓いてきた数十年に亘る実践をもとにお話をしていただきました。中でも、「当事者の“地域で役割を持って生きる私”という主体性が、制度やサービスの枠にはめられることで保護的に始末されていないか。当事者を主体から外さず中心に置き、傍にいる人が心を一つにし共に鳴らしながら物語を一緒に創っていくことが大切」という言葉は心に残り、とても考えさせられる内容でした。

最後に「介護を受けながら生きていくという点では、障がい者も要介護の高齢者も一緒であり、高齢化社会が進む中で、障がい者がどう生きているかは高齢化社会においてモデルになるのではないか。結局は、障がい者の生き方を考えることは、自分たちの生き方を考えることにつながる」と締め括られました。

そして、福祉職員へ向けて「何をもってやりがいとするのか。命をむき出しにして生きる障がい当事者に対して、日々、心が鳴らし合うことをやっているか」とのメッセージをいただき、何のために働くのかという原点を見つめ直す機会となりました。

今回の開催は、参加されたお一人おひとりが重度障がい者や障がい当事者の地域生活の支援について考える契機となり、少しでも重度障がい者の当たり前の地域生活がこの久留米で進んでいくような機運の醸成につながったと確信しています。このような機会をこれからも創っていきたいと思います。

                 (「重度障害者の地域生活を考える実行委員会」 中野みどり)

 

page-0001

※カニューレ 気管切開された方が用いる空気の通路となるパイプ状の医療器具

 

11月 人命救助研修を行いました

   DSC04191  

 

11月8日と11月15日の2日間、久留米消防署より救急救命の講師(3名)に来ていただいて、出会いの場ポレポレにて人命救助についてのお話と実際に心肺蘇生法の手順とAED(自動体外式除細動器)の使い方を学びました。私は以前学んだことがありましたが、いざやってみるとなかなか出来ず苦戦しました。しかし、消防署の方に一つ一つ丁寧に教えていただき、また何度も繰り返し行うことで少しずつ出来るようになっていきました。

 

DSC04185DSC04182

 

その後は、ひたすら2分間の心臓マッサージを行う体験をさせていただきました。2分間という時間は短いようですが、いざやってみると、とても長く感じるもので、終わった頃には手のひらが真っ赤になるほどでした。短いようで長いこの2分間は生死を分ける大切な時間なのだと考えさせられました。

人命救助は一分一秒を争い、その時間が、その後を大きく変えてしまいます。私自身もいつその場面に遭遇するか分かりません。今回学んだことを研修の中だけで終わらせるのではなく、もう一度振り返り、家族や友達など周りの人に発信していきたいと思います。 

(出会いの場ポレポレスタッフ 碇)

 

DSC04188DSC04183

 

7月 第26回全国グループホーム等研修会に参加しました  北摂杉の子会の施設も見学しました

  OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

7月24日・25日、神戸ポートピアホテルにて、第26回全国グループホーム等研修会~近畿地区大会~が行われ、当法人より4名が参加しました。

大会のテーマは、「地域の中で安心できる住まい、暮らしを創造していく」。

 

初日の基調講演では、神戸百年記念病院看護師の野村真波さんが、「障害を乗り越えて…」という演題で講演をされました。交通事故で右腕をなくされた当時の事から治療、リハビリの苦しみ、障害を乗り越えてのパラリンピック水泳日本代表としての挑戦などを、明るく、時には声を震わせながら語っておられました。お話をお聞きして、障害の受容の過程での苦悩や、周りの支え、仲間の大切さを教えていただきました。

 

次に、「終の住まいとしてのグループホームをどう考えるか」というテーマで、各団体の代表者と厚生労働省の方を交えて座談会が行われました。グループホーム・ケアホームが一元化される中で、障害者の地域生活がどのように進んでいくのか、本当に誰もが地域で生活していける「共生社会」の実現をどう目指していくのか、どのような現状なのかなど、熱心に討議されました。

 

2日目は、当法人の参加者4名がそれぞれ、「GHの高齢化対策と今後の対応を共に考える」や「GHにおけるホームヘルプサービス等の利用」「GHの事業展開について」「生活支援員、世話人さんの思いをぶつけよう」というテーマの分科会に参加し、今後のGHとして余暇支援の充実や高齢化に向けての準備、ご本人の意見を反映した運営など考えるよい機会になりました。

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

研修会終了後は、大阪府高槻市に本部を置く、社会福祉法人「北摂杉の子会」の施設を見学させていただきました。

松上理事長自ら法人の説明をしていただき、「レジデンスなさはら(グループホーム)」や「ぷれいすBe(生活介護・就労継続支援B型・短期入所・日中一時支援)」「ジョブジョイントおおさか」「たかつきブランチ(就労移行支援事業、自立訓練事業)」の施設見学に同行・説明をしていただきました。

各施設では、それぞれ自閉症や発達障害に特化した取り組みがなされており、今までの構造化に関する認識やどのような配慮が必要か考える機会をいただきました。(前田 力哉)

 

nasahara1nasahara2

7月 社会福祉法人あさみどりの会が、新園舎「さわらび園」を竣工。 お披露目会に出席しました

IMG_4539

 

7月20日(日)、名古屋市にある「さわらび園」の新園舎竣工・お披露目会に出席しました。

同園は、社会福祉法人あさみどりの会が運営する児童発達支援センターです。

あさみどりの会は、42年前、障がいのある幼児の早期療育の重要性を考え、お母さんが子どもとしっかり向き合い、

子ども達が一人の人間として幸せな人生が送れるように力をつけていくための母子通園施設としてスタートしました。

当日、到着して先ず目に飛び込んできたのは、おとぎの国のお城のような外観で、びっくり。

子ども達は「わぁ、ディズニーランドだ!!」と声をあげたそうです。

園内には活動・訓練・相談室があり、待合室にカウンターテーブルや椅子が設置され、

当日も親子でゆっくりとくつろいでおられました。

その光景を見ながら、島崎春樹理事長は、「楽しんで利用していただくことで建物は生きてきます。

それが設計を手掛けた者の喜びです」と言われました。

3階に上がると、ひときわ豪華な母親カウンセリング室がありました。

ここにお母さん方が集まり、お互いに研鑽を深める場をとても大切にされている事がうかがえました。

また、同会は法人設立前から保護者や市民有志の皆さんで資金作りの為のバザーやイベントを開き、

ボランティア養成にも力を注いで来られました。

お披露目会には、40年~50年の長きに渡りボランティアとして続けて来られた方々も大勢参加されていましたし、

幼児期を「さわらび園」で過ごした親子等、多くの皆さんが駆けつけておられ、

歴史の重さを感じるお祝い会でした。 (野田 文子)

 

IMG_4502IMG_4517

 

 

当法人は、長年、島崎春樹理事長(80歳)に支えられてきました。

 

IMG_4557 島崎春樹先生

 

「あさみどりの会」の島崎理事長との出会いは、17年前、平成9年の夏休みでした。

当時、「障がいの重い方の暮らしの場を地域につくる」ために、

教員や保護者など大勢で全国の先進地を視察に行っていました。

その一つが、名古屋市にある「あさみどりの会」のグループホームづくりでした。

島崎理事長自らが施設長をされているホテルのような建物の「べにしだの家」にも驚きましたが、

平成元年という早い時期から取り組んでおられたグループホームづくりについてのお話をお聴きし、

目の前がぱっと開けたような気がしました。早速、講師として久留米に招聘し、

久留米養護学校(当時)にて講演をしていただきました。

その時、私たちは「法人設立をしたほうが良いのだろうか」と迷っている段階でしたので、

島崎理事長に相談。「是非、やったがいい」と背中を押していただきました。

その時以来、島崎理事長は「島崎春樹先生」になり、遠い名古屋の地ではありますが、

実質、当法人の相談役をお引き受けいただいたようなものでした。

それから、違う顔ぶれの教員や保護者、職員達を連れて、幾度となく名古屋を訪れ、お話をお聞きしたものです。

また、島崎理事長は建物の設計がとても得意な方です。

「出会いの場ポレポレ」の設計においても何度もこちらから案を送り、図面を書いていただきました。

それ以来、「カリブ」から「チェムチェム」「ニュンバ」「三原さんの家」「こりんず」まで、

グループホームの改造設計を相談すると、わざわざ現地を見に来てくださり、図面化していただきました。

個人的にも法人経営で悩んだり、落ち込んだりする度に、

「人生は徒労の連続だ」「やろうとすることは運動だ」と励まされてきました。

今年(平成26年)の3月、「あさみどりの会」は、生涯を通じて障害者福祉に力を注ぎ、

「この子らを世の光に」の著書で有名な糸賀一雄さんの生誕百年記念式典にて、糸賀一雄記念賞を受賞されました。

そして今年の7月、全国に先駆けて42年前に建てられた「さわらび園」を次世代に引き継ぐために、

島崎先生設計のもと、新園舎として完成。この11月には、理事長・理事職を退任されます。

これまで、偉大な島崎春樹先生に当法人を支えていただいたこと、本当に光栄に思っています。

そして、まだまだお元気でいらっしゃるので、当法人の相談役は続けていただきたいと願っております。 (馬場 篤子)

 

IMG_4512 

 

今回、新園舎を視察させていただき、建物の設計などにこだわっておられる点に多くを学びました。

「お母さん達は悩みを抱えて来られるからこそ、初めてやって来るお母さん達がこの場所で元気にならなければならない」

「お母さんや子ども達が行きたくなるような場所を作りました」

園内の説明の中で、このような言葉が印象的でした。

また、新園舎には、地域の皆さんが気軽に足を運べるような工夫がされていましたし、

子どもが成長して成人になっても頼れる場所となり、

元気になれる場所であり続けるためのつながりの場でもあることを感じました。 (北岡さとみ)

 

IMG_4543

6月 第11回日本グループホーム学会大会福島大会に参加しました

IMG_0444IMG_0441

 

6月21日(土)~22日(日)、福島県郡山市で開催された「第11回日本グループホーム学会大会福島大会」に、19名で参加しました。

開催テーマは「見つめ直そう福島から 地域で生きるということを ~東北の仲間に逢いにきてくだされ~」です。

基調講演では、南相馬市長の桜井勝延さんが「福島の今を生きる」として講演。

震災直後、現場に情報が届かない恐ろしさ、ネットワークの大切さなどを語りました。

2日間にわたるシンポジウムでは、「グループホーム一元化など制度の動向」「消防・防災講座」

「当事者からの声・グループホームで暮らしてみて」など盛りだくさんでした。

また、懇親会やナイトセッション「~福島を語る~」では、多くの皆さんと意見交換し、

交流を深めることができました。

 

IMG_0422IMG_0423

 

参加したスタッフからの報告です

 

南相馬市や二葉町のグループホームで暮らしていた方々は、放射能の影響でそこで暮らすことができずに別の地域で暮らしておられます。受け入れる側の努力や本人たちの不安な様子、行政との連携等の報告を聞くことができました。

どこでも災害はあり得ることです。グループホームに限らず、高齢化していく地域で暮らすには、災害に備えて日頃から見守りや声かけなど周囲との関係性をもつことが大切だと考えさせられました。

また、会場ではサテライト型の居住が紹介され、相談支援の必要性を感じた次第です。(相談支援専門員 大力陽子)

 

 

今回、石巻などの被災地訪問、福島大会の参加を通して、施設同士の横のつながり・地域とのつながりがとても重要という点に改めて気づきました。

実際に被災地の現場を見て、防災に備えることの大事さ、地域や他機関とのネットワーク、行政とのつながりなどを密にしていかなければならないと感じました。(夢工房 増﨑友見)

 

 

東北での開催という事で、石巻~南相馬等も見学しました。

初日は、NPО法人あさがおさんやNPO法人コーヒータイムさん、今もまだ人が住んでいない避難区域を見学。そこで多くの皆さんの話を聞く事ができ、とても貴重な体験をしました。

2日目からは学会に参加。当事者の皆さんが語るシンポジウムもあり、生の声を聞くことができました。就労を担当している私は、グループホームの事を考える機会が仕事の中ではほとんどありませんが、今回の研修では、就労→暮らし、暮らし→就労という考えを大事にしなければならない点を学ぶ機会となりました。

今後、常に暮らしのことも視野に入れていきたいと思います。(惣菜処ぽれぽれ 山下 剛)

 

 

今回、学会に参加してグループホーム一元化に向けての話や当事者の思いなどをたくさん聞くことができ、とても学ぶことが多かったです。特に当事者が話された内容は、私もグループホームの支援者の一人として考えさせられる点が多々ありました。今回の学会を参考に、今後の仕事に活かしていきたいと考えています。

また、学会の前日、被災地にも行きました。私は、今回で3度目の被災地視察です。震災から3年経ちましたが、未だに復興が進んでいない光景は3年前のままでした。

「自分は震災にあっていない」と、多くの人が震災の事を他人事のように考えているのではないでしょうか?実は、私もその一人でした。ただ被災地に行っただけで終わるのではなく、今回出会えた人々とのつながりを大事にして、少しでも何かできることを今から探していきたいと思います。(出会いの場ポレポレ 児玉元気)

 

 

「我々は、日本全体に希望を持たせるような仕事をしているのか」「福島から始めなければ日本の復興はない」「福島の現場から悔しさ、空しさ、そして希望を全国に伝えていきたい」

これは、福島第一原発から20km圏内の或る自治体の首長が、学会の基調講演で語った内容です。今回の出張において最も印象深いお話であり、今もその気骨のある言葉について考え続けています。(出会いの場ポレポレ 内田)

 

 

IMG_0390  仙台空港にて

 

 ※当法人は、昨年6月、「第10回日本グループホーム学会大会福岡大会」の事務局を務めました。

九州で初めて開催された大会です。   →詳細はこちら 

フォーラム・プロジェクト・研修頁の「フォーラム・シンポジウム」コーナーに掲載しています