拓くの原点

拓くの原点

インクルーシブな教育を目指して
「拓く」の前史―。市内の保育園で障がい児の受け入れ進む。

1960年代。久留米市の小中学校には、「特殊学級(現・特別支援学級)」が開設されていきました。 「就学猶予」の子どもは、一人で通学し、身の回りの整理ができることを条件に、特殊学級のある学校に通えるようになりました。ところが重度の障害をもつ子どもは依然として在宅生活のまま。
そして1974年に久留米市立久留米養護学校(現・市立久留米特別支援学校)が開校。 それまで地元の小学校の特殊学級に通学していた子どもは、「お宅の子どもさんは重度の障害があるから」と、養護学校への転校を勧められ、地元の学校へ行けなくなるケースも出てきました。 1980年代になると、久留米市の保育園では障がい児の受け入れが進んでいきました。しかし、重い障がいのある子どもの大半は、校区を越えてよその地域の小学校の特殊学級へ、または久留米養護学校へ通うしか道がありませんでした。

※就学猶予 教育委員会が学齢期に達した子の保護者に対し、その子を学校に就学させる義務(就学義務)を猶予または免除すること。

統合教育の勉強会

保護者と教員が一緒になって進路保障のための学習会を何度も開催

保護者と教員が手をつなぐ。

障がい児も普通に地域の小中学校へ。その運動が広がる。

1981年当時、馬場篤子常務理事(小学校教員を2年経て久留米養護学校に赴任(24歳)は、養護学校の教師と親たちに呼びかけ、「すぎの子会」を結成し、通学のためのスクールバス獲得、高等部への進学などの運動を推進しました。 やがて1986年に、養護学校の教員を中心に、サークル「でんでん虫」を結成。保護者と教員それぞれが「小中学校の就学」についての悩みや思いを出しあう場となります。障害がある「来入児(来年度入学児)」の保護者と各校区の小学校教員が出会い、校区の小中学校へ入学するきっかけも生まれ、障がい児も普通に地域の小中学校に入る運動が広がっていきました。

「夢工房バルーン」の会を結成し、無認可共同作業所を開所。

1987年に「夢工房バルーン」の会が誕生。養護学校を卒業した後、働くことができるミニ作業所を開設しようとバザーをたくさん開きました。同時に、教員による「夢気球バンド」も結成。第1回の「夢気球コンサート」は1200人の来場者で超満員となりました。 こうして翌年、無認可共同作業所「夢工房」を開所。それから、約20年、「夢気球コンサート」は19回を数え、作業所で手作りされる「夢クッキー」も地域のブランド商品として根づきました。2007年に「夢工房」は社会福祉法人「拓く」と合併しました。

餃子を作っているところ

「夢気球コンサート」(全19回)
毎回、会場は超満員になりました。

プールで泳いでいるところ

無認可共同作業所「夢工房」 重い障害のある人も
通いながら、クッキーの製造に携わるように
なりました。

共同作業所づくりで、卒業生の進路先を増やした。
「共に生きる場を拓く会」の結成。

「高等部を卒業したら、重い障がいをもつ子どもたちは、どこで過ごすのか?」
この課題に取り組もうと、1993年3月、「共に生きる場を拓く会(通称:拓く会)」が発足。機関誌「かたらんね」を定期的に発行。久留米養護学校の保護者や教職員、夢工房、育成会の保護者等100名以上が集まり、学習会や各地の視察などを行いました。1994年1月に共同作業所「共に生きる場JAMBO」と「くるめっ子純情」が同時に誕生。養護学校卒業生の新しい進路先となりました。

「共に生きる場JAMBO」は「共に生きる場を拓く会」から独立し、現在は地域活動支援センター笑福(NPO法人笑福)が運用しています。

中心商店街に、私たちの店を出した。
拓くのルーツとなる「くるめっ子純情」が開店。

1994年、現在の法人の原点となる障がい者も働ける店「くるめっ子純情」が久留米市の六ツ門商店街に開店。「拓く会」と「夢工房」との共同運営で作った店です。販売したのは、「夢工房」で作るクッキーや小物、雑貨などです。「クッキングパパ」の漫画家・うえやまとちさんの協力を得て、オリジナルキャラクターを印刷した包装紙も作りました。後に、「くるめっ子純情」は共同作業所「福祉の店アサンテ」と改名。現在は、エフコープ久留米店内に移転し、「社会福祉法人拓く」の事業所「惣菜処ぽれぽれ」になっています。

プールで泳いでいるところ

うえやまとちさんと一緒に
プールで泳いでいるところ

商店街のお店

「生きる場」づくり、「出会いの場 ポレポレ」の誕生へ。

私たちは安定した経営基盤の「生きる場」が必要だと考え、1998年8月、「共に生きる場を拓く会」の社会福祉法人化を進める会を結成。建設用地を久留米市安武町武島(現在地)に用意して寄付を呼びかけ、募金箱運動、バザーを実施しました。 そして2000年10月に、社会福祉法人「拓く」の設立が認可され、翌年2001年9月、知的障害者通所授産施設「出会いの場 ポレポレ」が開設しました。

「くるめっこ純情」
拓く会 カンパや定期的なバザーの開催を実施
イベントやスーパーマーケット駐車場に出店し、 たこ焼き販売もしました。