社会福祉法人 拓く

5月2019

4月、当法人と久留米市手をつなぐ育成会の共催で、「障害がある人への意思決定支援~SDMから学ぶ『その人らしい』生活を支援するには~」をテーマに研修会を開催しました。どのような障害があっても「その人らしさ」が発揮できる環境づくりを目指したいと思います。

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4月25日(木)、久留米市総合福祉センターを会場に、本間奈美さん(一般社団法人SADO Act/新潟県 佐渡市)を講師にお招きして、「障害がある人への意思決定支援~SDMから学ぶ『その人らしい』生活を支援するには~」と題した研修会を、拓くと久留米市手をつなぐ育成会の共催で開催しました。約80名が研修会に参加され、意思決定支援への関心の高さが伺えます。

研修は、人権の話からスタートし、知的なハンディがある方たちの意思決定について、オーストラリアの先駆的な事例を交えて学びました。後半はトーキングマットという、カードを使った意思表示についてロールプレイをしました。

 

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研修の中で、意思決定支援とは、

〇自ら意思を決定することが困難な方が、日常・社会生活で自らの意思が反映された生活を送ることができるように、可能な限り本人が自ら意思決定できるよう支援すること。

〇『本人中心主義』を基本視点とし、ご本人が自己決定できるようにベストチャンスが与えられる環境づくりが大切。

①  ふさわしい環境や時期であるか

②  十分な時間・情報・明確な選択肢が与えられているか

③  本人の理解しやすい形で情報提供されているか

④  利益・不利益など予想される結果を見通して論議しているか

⑤  毎日の暮らしの中にあるさまざまな選択を自分の意思で決定し、それを積み重ねていくことが「その人らしさ」、「その人らしい生活」だと学びました。

 

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私たちが一緒に過ごしている重度の知的なハンディがある方は、わずかな表情や体の動きや変化など体いっぱい使って意思を表現されています。私たちは、その小さな意思表示を見逃さずに何を伝えようとされているのかを考え、確認し合いながら支援していくことはもちろんのこと、もっと意思を表現・理解しやすいように言葉を写真や絵をつかったりして、コミュニケーション手段を常に考えていくことが必要だと感じました。 

もっと「ご本人を知る」こと。ご本人の意思の真意をくみ取り、メリットもデメリットも受け入れて一緒に悩み考え、伴走していく側の力量・心構えが必要です(特に支援者)。

私たちをはじめ、家族や関わりを持つ人たちが利用者の皆さんにとって意思を伝えられる相手であり、それを受けとめられる一員でいることができるようにと思っています。又、どのような利用者の皆さんであっても、ベストチャンスが得られる環境づくりを目指したいと思います。(武田麻衣子)