お知らせ (研修)

7月、「第12回日本グループホーム学会 全国大会in京都」に参加しました。 キーワードは、シェアハウス、意思決定支援…。“あつい”出合いがたくさんありました。

 

2015年7月11日(土)・12日(日)、京都市で開催された「第12回日本グループホーム学会 全国大会in京都」に、当法人より7名が参加しました。

主催は、障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会です。

参加した6名のレポートをここで紹介します。

 

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2013年に当法人が事務局を引き受け、久留米市で開催した第10回全国大会は、当日、700名を超える参加者でした。昨年は「福島」、そして今年は「京都」での開催となり、熱き出会いの場となっています。

グループホーム学会との出会いは約10年前。北海道伊達市の小林繁一さんが、九州に学会委員がいないので、学会委員を担って学会を開催して欲しいと依頼がありました。福岡市のリーダー的存在の進藤施設長と話し合いをし、後日、野の花学園で学会を開催することになりました。こうしてグループホーム学会は九州に上陸したのです。

その打ち合わせのために、当時のグループホーム学会会長の室津滋樹さんにお会いすることになったのですが、それは当法人にとってはとてもラッキーな出会いとなりました。2006年1月8日、長崎県大村市の認知症高齢者グループホームの火事(7名の高齢者が亡くなられた)の調査を兼ねて九州に来られるということで、私もお願いして調査の同行させていただきました。火事から1週間も経っていなかったので、焦げた匂いがし、生々しく痛ましかったのが印象的でした。立地は海岸が見える風光明媚な場所でしたが、周辺に民家がなく、腰の高さにある窓で、火災が起きた時、救出、初期消火、通報などすべてを1人の夜勤者でするなどできないということがまざまざと分かりました。

その頃、当法人は重度心身障がい者が入居するグループホーム「ニュンバ」を建設中でしたが、その運営に悩んでいたところ、室津さんから、ヘルパーを利用するスタイルにしたらというアドバイスをいただきました。そのアドバイスのお陰で、現在、どんなに重い障がいの方も、少人数でも、グループホームで暮らし続けることができています。

グループホーム学会には毎年、数名の職員や保護者、当事者を誘って参加しています。この大会に参加すると初心や大切なものに立ちかえることができます。  (常務理事 馬場 篤子)

 

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当法人は、ある入居者の家庭の事情で、本格的にグループホームの365日体制に向けての取組みを始めたところです。ほんの数ヶ月ですが課題が次から次に出てきます。限られた収入、手厚い人員配置が取れない中、グループホームでどうすればより豊かに生きられるだろうか、といろいろな課題を胸に本大会に参加しました。

本大会は「シェアハウス」「意思決定支援」「人材確保&育成」「厳しくなる消防法」「地域生活支援」などをキーワードに多角的な視点からのプログラム構成でした。

グループホーム入居者も登壇され、「障害の軽い人も、周りから分からないと思われているような障がいの重い人でも意志は必ずある。壁を叩いたり、表情を変えたり、いろいろな方法で意志を表していると思う。どんな人でも何かを決める時には入れて欲しい」「自己決定で大切なのは結果ではなくプロセスだ」という発言は考えさせられました。

講義の中で特に印象的だったのが、次のような点です。

「グループホームの暮らしを考える上で、なぜ施設や病院が駄目なのか。もう一度原点に立ち返り、考える必要があるのではないか」

「管理の対象となっていないか」

「ますます自己決定から遠ざかっていないか」

「本人を中心にみんながエンパワメントしていく支援こそが地域支援ではないか」

「これまでは制度がないところから創り上げてきた時代があり、今はたまたまサービスとしてあるが、一番恐れるのは、結果的に制度にはまってしまう(保護的に人の存在が始末されていく)こと。そこに陥らないようにみんなが立ち上がっていくことが大切である」

以上のように、グループホーム学会の理念「誰でも自分の意志にもとづいて、地域で暮らせる権利をもっています…」のエッセンスがたくさん詰まった講演会でした。これから私たちが事業を推進するにあたって、その都度原点にかえり、考えていく必要があると改めて感じました。

また、グループホームを実際に運営している人たちと意見交換することができたことはとても有意義でした。どこも同じような課題がありながら、次々に出てくるニーズや課題に揺らぎながらも、何とかしたいという思いに突き動かされながら推し進めていかれています。これからも県を超え、他の事業所とつながりながら、より良い暮しの支援を模索、展開していきたいと改めて感じました。                        (地域支援課 浦川 直人)

 

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今後のグループホームのあり方や、それぞれの暮らしをどう支えていくのか、課題山積の今、大事にしていくべきことがはっきりと見えてきた2日間でした。

「どんなに障害があろうとこの街で暮らし続けたい」ということを追求し、グループホームは立ち上げられました。ふと考えます。自分からグループホームでの暮らしを選んだ人はいるのでしょうか?ご本人さんに、今こそ「どこで・誰と・どんな風に暮らしたいか」を投げかける事も必要ではないでしょうか。かけがえのない人生の中での出来事を何かの形で選択し、決定する事は大事なことだと考えさせられます。

そして、小さな体験や経験を日々の暮らしの中で積み重ねる中、リスクもあり失敗を犯すこともあるでしょうが、どんな時もご本人に寄り添いサポートすること。また、使いうるあらゆる表現・表出・表明方法を駆使してご本人自身が想いを表明することを支援することが大事であると再認識しました。グル―プホーム・サテライト・一人暮らし・シェアハウス・家で暮らすといった様々な形の暮らし方が広がるようになれば良いと思います。    (地域支援課 安倍弥生)

 

IMG_0129  グループホーム当事者委員会の題目

 

支援スタッフにとって、支援の行き詰まりや、孤独感を感じることは少なくありません。相談や会議を経て解決するべき悩みがなかなか解消されず、結果、そのストレスに押し潰される…。

そういった状況を避けるための独自の取り組みを、北海道にある「はるにれの里」さんから講義を受けましたので、ここで紹介します。

まず、スタッフが一定水準の技量を身に付けられるよう、定期的に研修会を開催するということ。これは当法人でも行っていることとは思いましたが、ユニークなのは、懸賞金を設定して実践レポートの発表会を行っている(!)という点です。大胆な取り組みだとは思いますが、それぞれの技量を把握したり、支援方法を確認しあえたり、切磋琢磨と相談連携を並行して行える、面白い試みだと感じました。

次に、スタッフのメンタルケアのため、ストレスチェックアンケートも行っているとの事です。

アンケートには、もちろん不満も少なくない様ですが、そこで挙がる意見を若手で構成された「将来構想委員会」で議論し、運営委員会に提起していく事で、勤務体制やチーム体制の見直しに繋げているとの事でした。

「はるにれの里」さんがスタッフのメンタルケアに一番必要としているのは、人と人の繋がり、相談しあえるチーム体制だそうです。ふと気づけば相談を忘れ、孤独になりがちな支援者が、同僚や上司との繋がりを保ちながら、時には競い合い、前に進むための組織づくり…。講義を聞いて、とても勉強になりました。機会があれば、一度実際に見学してみたいです!

                          (出会いの場ポレポレ 姫野 健太)

 

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7月11日(土)・12日(日)、京都で開催された第12回日本グループホーム学会全国大会に参加してきました。障がい福祉を巡る諸制度は大きく変化しています。グループホームに入居される方々も全国で9万人を数える程になったそうです。

今回の大会では、「意思決定支援のあり方」や「スタッフの確保・人材育成」など、現在、私自身も頭を悩ませている部分が議題に挙がっていました。その中で、グループホームが入所施設化しているのではないかとのお話もありました。

365日体制や福祉サービスの縮小傾向がある中で、今後どのように入所施設との差別化をしていくのか。これは、周りが決めるのではなく、しっかりとご本人を中心とした個別支援を進めていかなければならないと改めて感じました。

(出会いの場ポレポレ 前田 力哉)

 

 

 

7月11日(土)・12日(日)、僕はグループホーム学会として京都に向かいました。

1日目の昼食は、ニシンうどんを食べました。なかなか美味い珍しいうどんでした。

テルサからバスに乗り、蒸気機関車の展示された博物館で蒸気機関車をいっぱい見ました。

続いて、京都水族館ではイルカショーを見たり、クラゲ等を見たり。京都水族館も悪くなかった!

京都のグルメも美味いものがいろいろあって良かったし、様々な人と色々話したりできて本当に良かったと思います。                (当事者    南の家ほっと 池田 遼)

 

■開催概要

2015年7月11日(土)~7月12日(日) 京都市

主催:障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会

共催:日本グループホーム学会 全国大会in 京都 実行委員会

 

■大会開催の趣旨
障がいのある方の地域生活に、グループホームは大切な役割を担ってきました。

入居される方々も9万人を数えるようになりました。一方で入居される方々の高齢化や重度化への対応が急務とされています。まさに多様な課題に直面している今こそ、当事者の声が大切にされる居場所を広げていく必要があるといえるでしょう。